サイエンスの力で企業のマーケティング活動を支援するコニカミノルタマーケティングサービスは2021年7月より、スーパーマーケットのカスミ、流通経済研究所と共同で、カスミの店頭での来店客の行動を計測し、最適な棚割りや陳列、販促物やパッケージデザインの開発に生かすための実証実験を開始する。合わせて自社商品での実験を希望するメーカー企業の募集を始めた。
カスミの営業統括本部 営業企画部マネジャー 赤尾裕之氏は7月13日にコニカミノルタマーケティングサービスと流通経済研究所が共同で開催したウェビナーで、「特に昨今は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、明らかに購買行動が変わってきている。それを実際に目で見て体感できることに期待している」と述べた。
「本来、インストア・マーチャンダイジングはデータ、根拠に基づいて店頭を改善していくのが基本。実際に売り場に展開できる点にも期待したい」(赤尾氏)
コニカミノルタマーケティングサービスは、天井カメラの映像と画像解析技術によって、実験対象売場前の立寄人数、アイテムごとの接触や買上人数などを計測する。また、対象人物の性別や年齢を推定し、滞在時間やどの商品を手に取ったか購入したかなども測定する。
棚割りや陳列、POP、コロナ禍により注目が高まっているサイネージ等も含め、A/Bテストを実施するなどの、売場実験を通してメーカーの課題や仮説を検証する予定。
「新型コロナウイルス感染症の拡大で生じた来店客の購買行動の変化は、収束後も元に戻るのではなく、定着する可能性もある」と話すのは、今回の実証実験で実験結果や考察のフィードバックを担う流通経済研究所で常務理事を務める山崎泰弘氏だ。
「コロナ禍によって、店内での買い物を短時間で終える傾向が高まっている。売り場前通過人数、属性による行動の違いから、店頭購買の8割を占める非計画購買で、商品が手に取られるような売り場は、どのような売り場かを改めて検証することが大事だ。立ち寄りが少なくなっている売り場の変化も見ていく」(山崎氏)
「より多くのメーカー様にデータ活用の機会を提供したい」と意気込むのはコニカミノルタマーケティングサービス Go Insightプロダクトマネージャーの清水 隆史氏だ。
「メーカー様のマーケティング活動をアップデートしていきたい。いかに立ち寄りを増やす売り場にするか、売り場でどのように陳列するか。さらには限りある予算をどのように配分するか。選択と集中で、どこを増やし、どこを減らすかという意思決定の材料も提供したい」(清水氏)
「データ活用の機会創出のために、カメラ設置にご協力いただける小売様や協業の取り組みをもっと増やしていきたい」と話す清水氏。現状、小売業にデータに基づいた店頭改善を提案できる企業は限られているが、分析の門戸が開かれることで、これまでの商慣習に変化がもたらされる可能性がある。
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