日本通信販売協会(JADMA)は8月26日、食品を通信販売する際の広告の方針を策定、発表した。インターネット通販で生鮮食品や加工食品を買う人が増えているが、食品表示基準を規定した食品表示法では広告を適用対象外としているためガイドラインを示し、業界の健全化を促す。
ネットで加工食品、生鮮食品、添加物などを販売する際、広告で表示すべき商品情報についてまとめたほか、内容を変える際の措置、広告を表示する時間やスペースなどの制限に応じた対応、商品情報の正確さを担保するための取り組みなどについて指針を示した。
インターネットで食品を販売する際の広告表示については、2015年〜2016年にかけ、消費者庁が懇談会を設け、提言を取りまとめていた。食品表示法ではパッケージ(容器包装)での表示を規定しているが、通販の場合は購入者が確認できないことを課題視していた。経済産業省の統計では、食品、飲料、酒類の消費者向けeコマース市場規模は2020年、前年比21.1%増の2兆2086億円に伸びている。
消費者庁の調べでは、インターネットで食品を購入する際、「週1回以上」と利用頻度の高い人ほど、原材料や消費期限、添加物などの「義務表示事項に係る情報」を重視する割合が高かったことがわかっている。「月1回~3回」「月1回未満」と合わせた全体では8.4%だったが、「週1回以上」利用する人は15.4%が「義務表示事項に係る情報」を重視していた。
また、販売サイトで「義務表⽰事項に係る情報」が確認できなかった際、「義務表⽰事項に係る情報が提供されている他のサイトで購⼊する」が44.5%、「実店舗に⾏き、購⼊する」が39.8%、「別の⼿段を⽤いて購⼊しない」が26.2%。ネットスーパー利⽤者で「実店舗に⾏き、購⼊する」が52.7%と他の業態に⽐べて⾼くなった。「義務表⽰事項に係る情報が見にくかった、探しにくかった経験がある」とする人は、62.9%に上った。