自社メディア運営で得た知見をオウンドメディア支援に生かす
―複数の自社メディアを運営しているスマートメディアですが、メディア事業に対する現在の考えを教えてください。
成井:当社では、ラグジュアリー層に向けて生活にまつわる上質な情報を提供する「OPENERS」、日本中を笑いで幸せにするWebメディア「クレイジー」など、様々なターゲットを持つジャンル特化型のWebサイトを自社メディアとして運営していますが、今後もユーザーカバレッジを高めることを意識しています。今年4月にはオプト社より、ミレニアル世代向けの動画メディア「McGuffin」の事業譲渡を受けました。これにより、新しいユーザーにアプローチでき、かつ動画へとコンテンツの幅も広げることができると考えています。
―企業のメディア運営をサポートしているスマートメディアが、自社メディアを持つことの意義とはどのようなものですか?
成井:私たちが自社でメディアを運営するメリットとして、まずは常に最新の市場状況やノウハウといった情報をアップデートできることにあります。そして、得た情報をまずは自社メディアで試し、効果があればクライアントのメディアにも活かすというテストマーケティング的な役割も果たしています。例を挙げると、当社では大手自動車メーカーさまのオウンドメディアの運営も行っていますが「クリーンエネルギー」や「脱炭素」というキーワードが自動車業界でも重視されている中で、自社メディア「OPENERS」の 中にある「SDGsカテゴリ」で発信 してきたノウハウを発揮できています。様々なジャンルの自社メディアを持っているため、クライアントが発信したいテーマに合わせて、チームを編成できるところも強みだと感じますね。
また、クライアントのオウンドメディアの記事を、当社のメディアで紹介するなど、クロスメディア展開による集客が行えるのも私たちがメディアを持っている意義のひとつ。 さらに、ただ人を集めるのではなく、クライアントのターゲット層に合う人を集められるよう、記事を紹介するメディアを選択できます。多様なメディアを運営している価値だと考えています。
各業界で生まれている「脱プラットフォーム」の潮流
―企業のメディア運営サポートの一環として、スマートメディアが提供している「Clipkit®」について教えてください。
成井:「Clipkit®」はノーコードで簡単にオウンドメディアや社内報といったサイトを作成できるSaaS型のCMSです。2015年よりサービスを展開しており、導入数は700サイトを超えました。納品して終わりではなく、お客さまの理想や要望に合わせてアップデートを繰り返すクラウド型であることが「、Clipkit®」の特徴。6年間、多くの顧客からの要望を聞き、改良を積み重ねてきたことで、容易にコンテンツを作成できるUI/UXや、機能を備えられていると感じています。
そして現在、特に注力しているのが5月にβ版をリリースした「Clipkit® for EC」です「。Clipkit® for EC」は、マルチチャネルコマースプラットフォームShopifyのAPIを利用したEC事業者向けオウンドメディア構築ツールで、これにより、記事コンテンツとShopifyがシームレスにつながり新しい販売チャネルを提供できます。
―「Clipkit® for EC」に注力している理由とは?
成井:昨今の企業のオウンドメディアの潮流として「脱プラットフォーム化」があります。各プラットフォームの手数料問題はもちろん、Googleによる情報規制やコロナ禍で高まるEC化やD2Cブランドの急増により、各業界企業の共通課題として自社ドメインをいかに強くするか、自社サイトのカートからいかに商品を購入してもらうか、というところに興味が集まっており、当社としてもクライアントの自社サイトへの集客を意識したインフラを構築したいと考えています。自社サイトに人を集めるには、ただサイトをつくるのではなく、コンテンツのニーズが必ずあります。スマートメディアでは「、Clipkit® for EC」といったCMSツールの力と、長年自社・他社のメディアを運営してきた社員の企画力・制作力という人の力の両面で、今後も企業をサポートしていきたいと思います。
―3周年で刷新された「ビジョン」や「ミッション」に込めた思いについて聞かせてください。
成井:スマートメディアでは、3周年を機に新ビジョン「人の想いとテクノロジーで世界に彩りを」と、新ミッション「本当によいと思えるコトとヒトをつなげる」を策定しました。メディアとして人の心を動かすエモーショナルな企画・コンテンツを軸に、そこにテクノロジーの力を掛け合わせることで、この価値観が多様化している時代に“本気で世の中に伝えたいことがある人”と“その情報を欲している人”をつないでいきたいという思いを込めました。誰もがメディアを立ち上げられる時代だからこそ、本質をとらえたコンテンツ、メディアを生み出すことで企業を含め社会全体の課題に貢献していきたいと考えています。
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