“小さく”始まり“長く”続く、noteという場

noteを選んだ理由

そんなnoteですが、よく読まれている(もしくは発信されている)コンテンツを見ると3つの特徴があることが見えてきます。「Social」「Small」「Personal」です。

「Social」というのは、「ソーシャルイシュー」のことです。SDGsのような国際的な課題や、Twitter上で議論されているような社会課題を背景にしながら、その課題に対して言及されたコンテンツは、注目を集める傾向があります。

「Small」というのは、「手触り」というニュアンスです。クラフツマンシップあふれる物づくりや、草の根的な地域の活動や、暮らしにまつわることに触れたコンテンツの方が深い共感を集めている傾向があるように見受けられます。

「Personal」というのは、「個人的な言葉」を意味しております。個人が発話するnoteなので当たり前といえばそうなのですが、受け売りの情報ではなく、自身の解釈が含まれた読み物が多くありますし、そういった声を受け入れ応援する気運がnoteにはあります。

「Social」「Small」「Personal」という、noteコンテンツ3つの特徴。

長くなりましたが、そんなnoteの特徴を見ると、従業員の個人的な言葉で社会的な視座から発信することと相性が良いことがわかります。これが、私たちがnoteを選んだ一番の理由です。実際にこれまで150本程度の記事を配信してきましたが、上記特徴に合った読み物ほど、多くの方に共感いただき、Twitter上で好意的な言葉とともにシェアされている傾向があります。

もうひとつの理由「小さく始める」ですが、自前のオウンドメディアをゼロから制作するとなると当然ながら時間も費用もかかります。noteであればそこの費用が限りなくゼロに近いことと、制作期間で見ればゼロ(その時に立ち上げられる)であることも利点です。

従業員の声を集めようと思うと、当然ながらじっくりと取材をすることになります。そうすると1コンテンツあたりの文量も、コンテンツ量を揃えるまでの相応の時間がかかることになります。そうなるとひとつメディアを立ち上げたとしても、多くの方に認知してもらうには広告を打ったり、SEOを意識した読み物を量産したりと、本来的な目的以外で費用を投下し接点をつくり上げる必要が出てきます。もちろんそうやってつくり上げられるメディアは、企業発信としてより大きな意味合いを付与できますし、結果として企業ブランド価値を向上させることも寄与できる可能性が高いです。

ただ、その時間と費用をコンテンツづくりに集中させ、noteの「ピックアップ文化」に頼り、コアな共感者とつながりを持ちながら、その方たちからのシェアを狙っていく方が、その当時時点ではヘルシーでサステナブルであると判断し、noteを採択することにしました。

プラットフォーム上の発信を行う際には、流行っているからとりあえずアカウントを立ち上げるのではなく、そのプラットフォーム上の読者と機能を理解した上で(個人でまずは使ってみることを強く薦めます)、その文脈に合うコンテンツが自社内にあるかを考えることが肝要です。

次回は、メディア運営のスタート時に必要な、3つの視点についてお届けします。

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平山高敏(キリンホールディングス/コーポレートコミュニケーション部)
平山高敏(キリンホールディングス/コーポレートコミュニケーション部)

広告会社を経て、2012年より昭文社にて『ことりっぷweb』のプロデューサーとしてコンテンツ企画、SNS戦略、コミュニティ戦略など全般を担う。
2018年キリンホールディングス入社後は、オウンドメディアのコンテンツ戦略・LINE担当を経て「キリンビール公式note(現KIRIN公式note)」を立ち上げ、noteを軸にした企業コミュニケーションの戦略を担う。

平山高敏(キリンホールディングス/コーポレートコミュニケーション部)

広告会社を経て、2012年より昭文社にて『ことりっぷweb』のプロデューサーとしてコンテンツ企画、SNS戦略、コミュニティ戦略など全般を担う。
2018年キリンホールディングス入社後は、オウンドメディアのコンテンツ戦略・LINE担当を経て「キリンビール公式note(現KIRIN公式note)」を立ち上げ、noteを軸にした企業コミュニケーションの戦略を担う。

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