日本の価値観に縛られずに、アメリカの今を理解する
—アメリカで働くからこそ、感じるものはありますか?
社内のメンバーを見ても、いろいろなバックグラウンドの人がいます。日本はある意味で価値観が似通っている人が住んでいるマーケットだと言えると思います。アメリカにはいろいろな考え方や人種が存在していて、マーケットがひとつではありません。そうした中で、BLM(ブラック・ライブズ・マター)やアジア系ヘイト、LGBTQ+を巡る状況などが社会的にも注目され、メンバーからもこれらに対して自分たちは何を発信するのかという議論が始まります。
あらゆる人々の生活を、服の力を通して豊かにすること。それが、ユニクロの使命ですので、その点をしっかりと考えて、USAのお客さまにとって、自分にフィットしたブランドであると感じてもらえる様なマーケティング活動を行っていきたいと思います。
アメリカに来てから、毎日が未知との遭遇
例えばいち消費者として生活していても、通販で届く箱がボコボコになっていたり、配送予定日に届かないことは日常茶飯事ですし、そもそも届かないことすらあります。こうしたサービスのクオリティは日本にいたら考えられないのですが、品質に対する考え方がアメリカと日本では違うということが、生活しているからこそわかってきます。こうした点も踏まえて、ユニクロの強さになる価値はどこかを意識しながらアメリカに適した取り組みを今後も取り組んでいきたいと思っています。
【オンライン”訪問”を終えて】
武井さんは知らない環境を知ることが好きということで、最近はコロナが落ち着いてきたこともあり、週末にはご家族と街に出ていらっしゃるとのこと。ニューヨークなので多国籍料理の店も多く、トルコ料理や地中海料理といったものだけでなく、エチオピア料理やジャマイカ料理などにも遭遇されているようです。そういったお店に行って新しいことを知ることで気分転換されています。「でも結局は中華がおいしいんですよねぇ」と仰っていました。
玉井博久
広告会社側(リクルート、TUGBOAT)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方の経験を生かして、デジタルを活用した顧客体験(CX)を手掛けカンヌライオンズなど受賞多数。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議)、『「売り方」のオンラインシフト』(翔泳社)。2015年より5年連続シリコンバレーに、2018年より3年連続CESに、深圳、イスラエル、また米中のテックジャイアント本社に足を運び最新のデジタルテクノロジーを視察。得られた知見をマーケティング、Eコマース、コンテンツプロデュースに活用。シンガポールにてASEANのECビジネスを2年で10倍以上拡大させる。2012年より日本のポッキーの、2016年より全世界のポッキーの広告を統括。ポッキーは2020年に世界売上No.1*として、ギネス世界記録™認定。