ニールセンスポーツは9月28日、eスポーツの画面内に表示される広告とプロ野球中継で露出する看板広告では、視聴者の記憶に残す上で同等の効果があると発表した。ブランドはいずれも、ダイカスト製品大手のリョービ。
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野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』(パワプロ)のプレー動画内に表示されたブランドロゴとプロ野球中継のバックネット広告を比較した結果、「記憶に残った広告」で「パワプロ」のほうが中継を上回った。一方、注視時間や注視回数ではプロ野球中継のほうが上となった。ニールセンスポーツは、「5秒以上の露出は目が慣れ、認識力が大幅に低下するため、試合展開が早く、広告露出が短く回数の多い『パワプロ』のほうが記憶に残りやすかったのではないか」という分析を示している。
バックネット看板広告に出稿されていたリョービのロゴへの視線の動き、発汗や表情などを分析し、動画を視聴した後に印象に残った内容を被験者にヒアリングした結果では、広告の注視時間や注視回数については、いずれの層でもプロ野球中継の方がパワプロ動画よりも多くなった。
「パワプロ」のプレー動画ではリョービのロゴの露出回数は6回、露出秒数は42秒間だった。プロ野球のテレビ中継と同程度とした場合の媒体等価(露出秒数×スポット1秒単価)は189万円。一方、プロ野球中継では、ロゴの露出回数は4回。露出秒数は38秒だった。媒体等価は171万円。画面上でロゴが占める割合や、露出位置、1回あたりの秒数、画面上のほかのロゴの個数などを基に算出するニールセン独自の指標「クオリティ・インデックス(QI)」媒体価値では「パワプロ」が40万8240円、プロ野球中継が41万571円となった。
実験は「パワプロ」を販売するコナミデジタルエンタテインメントと、慶應義塾大学・加藤貴昭研究室、ニールセンスポーツジャパンの三者で実施。野球観戦の経験の有無でそれぞれ男女10人ずつ、さらに動画の視聴順で2つのグループに分けて広告への注視状況などを観察した。「パワプロ」「プロ野球中継」ともに動画の視聴時間は1分30秒間。