中国の小売から――中国ECで戦うマインドと4つの重点領域【中編:実践】

実践①:中国大手モールでの戦い方を抑える

その現実的な出店方法は、先述の通り大手ECモールの利用です。集客の主力はモール内広告とモール内イベントを最大限に活用することが前提となります。楽天やYahooショッピングに出店経験のある方は基本的には同じような構造であると考えてください。

・出店手続き
・カスタマー評価指標、レビュー内容、ランキング対策
・モールイベントへの参加/そのための販売実績づくり
・外部プロモーション(SNSにおけるコンテンツ強化やデジタル広告を活用した流入獲得)
・同一ジャンル、同一カテゴリの競合ショップ、商品の動向把握

これらショップの状態は店舗管理画面と分析アプリを駆使すればある程度把握できます。以下は管理画面の一部です。

※Tmall ECショップ管理画面の一部抜粋
ショップのランキングや広告申込などモール内での対策のほとんどが実施可能。

すべて中国語のため一定の難易度はありますが、これを自社で確認していない出店者が多いことも課題です。これらを常にチェックしながら目標を設定しパートナー企業に達成のためのプロモーション案を提示させること。広告投資と成果を確認しながらパートナー企業へのインセンティブとプレッシャーを与え、実質的なマネジメントを行うこと。この役割が欠けている出店者が多いのです。

自社での人材育成、もしくは自社側に立って運営パートナーをマネッジメントできる役割を置くことが不可欠なのです。

次ページ 「実践②:中国アプリ内での戦い方を抑える」へ続く

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堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)
堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)

新卒で電通に入社し、コピーライター、デジタルプランナー、クリエーティブディレクターとして、様々な企業のプロモーション、ブランディング、新規事業開発などを担当。主な仕事としては、日本初の人工知能コピーライタープロジェクト「AICO」の新規事業立ち上げをはじめ、国語の教科書に掲載された「さびしくなったら、おヘソをみよう」(日本新聞協会グランプリ受賞)、『One Show 展』(カンヌゴールド)、『JRA進撃の有馬記念』、IBM Watsonハッカソン『日本IBM賞』、宣伝会議第1回コラムニストグランプリなど受賞多数。マレーシアのELM Graduate SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は「消費、そして地域を元気にする」をミッションに小売業界のデジタル革新を担う株式会社フェズにて、クリエイティブ・ディレクションと広報に従事。クリエイティブコーチとしても活動。またオランダ在住のリモートワーカーとして、EU圏からアジア圏まで海外リテイルのトレンドについても執筆や講演など精力的に活動中。主な連載『VUCA時代の小売と消費』(ダイヤモンド社)、『世界の小売から』(宣伝会議 AdverTimes)等

堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)

新卒で電通に入社し、コピーライター、デジタルプランナー、クリエーティブディレクターとして、様々な企業のプロモーション、ブランディング、新規事業開発などを担当。主な仕事としては、日本初の人工知能コピーライタープロジェクト「AICO」の新規事業立ち上げをはじめ、国語の教科書に掲載された「さびしくなったら、おヘソをみよう」(日本新聞協会グランプリ受賞)、『One Show 展』(カンヌゴールド)、『JRA進撃の有馬記念』、IBM Watsonハッカソン『日本IBM賞』、宣伝会議第1回コラムニストグランプリなど受賞多数。マレーシアのELM Graduate SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は「消費、そして地域を元気にする」をミッションに小売業界のデジタル革新を担う株式会社フェズにて、クリエイティブ・ディレクションと広報に従事。クリエイティブコーチとしても活動。またオランダ在住のリモートワーカーとして、EU圏からアジア圏まで海外リテイルのトレンドについても執筆や講演など精力的に活動中。主な連載『VUCA時代の小売と消費』(ダイヤモンド社)、『世界の小売から』(宣伝会議 AdverTimes)等

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