世界でも市場が拡大
サントリーは10月26日、缶入りのワインブランド「ONE WINE(ワンワイン)」を自社WebサイトやAmazon.co.jpや楽天市場などで発売した。主なターゲットは、ワインのエントリー層〜ライトユーザー層。4本セット、12本セット、24セットがあり、価格はそれぞれ2200円、6600円、1万3200円(いずれも税込)。
企画開発はサントリーコミュニケーションズとR/GA。消費者のワインの飲用体験について事前に調査したところ、既存のビン詰めワインには複雑で難しいといった心理的ハードルを抱えていたり、開けたり捨てたりといったビンの扱いも煩雑に思っていることがわかった。缶入りワインは先行するブランドが複数あるものの、「一般消費者の中では、まだ非常に伸びしろのある市場」(R/GA)と判断した。
全国の20〜40歳代1800人を対象に実施したアンケート調査では、缶入りワインの認知度は、味にこだわりのある「グルメ層」では31.3%。一方、全体では21.6%と、10ポイント近く低くなった。グルメ層の有効回答数は132人。
クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で8月31日に実施した先行販売では、24時間で2000本が完売。オンライン販売から始めたのは、「まずは主要ターゲットに価値を感じてほしいため」(R/GA)。今後、缶入りワインに対する消費者の需要を明確にした上で、店頭などでの販売を検討する。
「できるだけユーザーに寄り添いながら、手に取っていただいた方の反応を踏まえ、今後のマーケティング施策に生かしていきたい」(R/GA)
グランドビューリサーチの推計では、2020年の缶入りワインの世界市場は2億1140万ドル(約241億円)で、21年から28年にかけての年平均成長率は13.2%となる見込み。消費者には持ち運びやすさ、手軽さが受けているほか、物流でも運搬しやすいメリットがある。