グラフィックデザイナー 仲條正義⽒が、10 ⽉ 26 ⽇に 肝臓癌のため死去した。享年88歳。
仲條氏は、1933 年東京⽣まれ。1956 年東京藝術⼤学美術学部図案科卒業後、資⽣堂宣伝部⼊社。その後、デスカを経て、1960 年にフリーとなり、1961 年株式会社仲條デザイン事務所を設⽴した。
これまでにTDC 会員⾦賞、ADC 会員最⾼賞、⻲倉雄策賞、毎⽇デザイン賞、⽇本宣伝賞⼭名 賞、毎⽇ファッション⼤賞 鯨岡阿美⼦賞ほか多数受賞。紫綬褒章、旭⽇⼩綬章受章。
⽇本グラフィックデザイン協会理事、東京タイプディレクターズクラブ副理事⻑、東京 アートディレクターズクラブ委員、東京イラストレーターズソサエティ理事、毎⽇広告 デザイン賞審査員、⼥⼦美術⼤学デザイン学科客員教授等の役職を歴任している。
代表的な仕事に、40 年以上にわたってアートディレクターを務めた資生堂企業⽂化誌『花椿』、ザ・ ギンザ/タクティクスデザインのアートディレクション及びデザイン、松屋銀座、ワコールスパイラル、東京都現代美術館、細⾒美術館の CI 計画、東京銀座資⽣堂ビルのロゴ及びサイン計画、資⽣堂パーラーのロゴタイプ及びパッケージデザインなどがある。
資⽣堂パーラーのパッケージデザインは 、2015 年に⾃らのデザインを 25 年ぶりにフルリニューアルした(2020年JAGDA賞受賞)。
資生堂パーラー25年ぶりのフルリニューアル デザインは仲條正義氏
そのほかにも、NHK「にほんごであそぼ」かるた、『暮しの⼿帖』表紙イラストレーションなど、グラフィックデザインを中⼼に活動してきた。
2021年2月に、1960年代から現在までの仕事をまとめた作品集『仲條 NAKAJO』(ADP)を上梓。東京、大阪、京都、福岡で、出版記念作品展を開催している。
月刊『ブレーン』2006年2月号では、服部一成氏と対談。「デザインという仕事に飽きたりしないんですか」という服部氏の質問に対し、「もういろいろやり尽くしているからだと思うけど、ちょっと何かやるとまた違ったものが見えてくる。無限にあるなという感じがあるんだよね」と答えている。その言葉通りデザイナーとして生涯を全うし、これまで世に送り出した作品で多くの後進たちに影響を与えた。
通夜は10月29日18時~19時半、葬儀は10月30日10時から、妙正寺会館(東京都杉並区清水3-5-9)にて。喪主は長男一哉氏。