「Connectios to You」2年ぶりに開催 「共創型DX思考」をテーマに魅力的なセッションをオンラインで展開

データを背景に、いかに「人間」と向き合うかがカギとなる

DAY1に実施された「デジタルに倫理を いま人間的コミュニケーションが選ばれる理由」のセッションでは、セールスフォース・ドットコムのマーケティングクラウド本部 エバンジェリスト 熊村剛輔氏が進行役を務めた。熊村氏は「デジタルマーケティングがテクノロジーの進化によって高度化している今、データ偏重になってしまいカスタマーエクスペリエンスが顧客にとって気持ちの悪いものになっているのではないか」と指摘。レノボ・ジャパンのマーケティング統括本部 統括本部長 CMO リュウ シーチャウ氏と三井住友カードの常務執行役員 マーケティング本部長 佐々木丈也氏と議論を進めた。

(写真左から)三井住友カード常務執行役員 マーケティング本部長 佐々木丈也氏、レノボ・ジャパン マーケティング統括本部 統括本部長CMO リュウ シーチャウ 氏、セールスフォース・ドットコム マーケティングクラウド本部 エバンジェリスト 熊村 剛輔氏

佐々木氏、リュウ氏はともに、現在のデジタルマーケティングが陥っている課題について、データ偏重でその分析精度も高まっているがゆえにデータだけで判断する傾向にあることを指摘した。リュウ氏はその対策として、テクノロジーが発達する以前にも活用されていたインタビュー調査などのマーケティング手法を組み合わせることが大事なのではと話した。

キーノートでも触れられたように消費者の意識は変化している。テクノロジーの進化や昨今のコロナ禍のような社会環境がその変化の速度にも影響を与えている。そうした消費者の意識についてリュウ氏は「人間は9割近くが現状維持を望んでいるという調査結果もある。変わらないといけないから変わっているという消費者の意識に向き合うことも『ヒューマナイゼーション』のひとつ」と話した。

消費者に寄り添うマーケティングを実現するためには、データを集め、分析し、仮説を立てるときに「人間」と向き合うことが重要となる。その実践において佐々木氏は「マーケティングはマーケティングの部署だけでするものではない。コモディティ化したものを差別化するとき、何が必要なのかを全社的に考えてアクションにつなげる必要がある」と指摘した。そのうえでマーケティング部門は、消費者に伝える際の表現やコミュニケーションの手段を考える役割があると話した。

消費者の気持ちが離れないためのコミュニケーションのポイントについてはリュウ氏が「ロジックとガッツ」をあげた。これを受けて熊村氏は「これまではテクノロジーに頼ったロジック先行になっていた。ガッツは腹を割るということ。この組み合わせが人間味を生む」と話した。

最後に視聴者へ向けて両氏はともに「顧客変化はさまざまなチャレンジをするチャンス」とメッセージを送った。佐々木氏は「古く人間は火を手にして失敗しながらコントロールできるようになった。データ活用も同様に、今はデータ偏重でエラーを起こしている状態かもしれない。この経験を経て進化することが重要なのでしっかりチャレンジしていきたい」とまとめた。

オンデマンド配信はこちら 

次ページ 「顧客起点のOMOがこれからの企業の成長を支える」へ続く

前のページ 次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ