10月10日に、石川県・金沢市で第105回高等学校相撲金沢大会(北國新聞社など主催)が開催され、全国から55校が参加した。
本大会は毎年5月に金沢市で開催されているが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止に。2年ぶりとなる本年度の開催にあたり、同大会はロゴとシンボルマークを新たに策定、大会全体のビジュアルを刷新した。
「国体から国スポへ、体育の日からスポーツの日へと名称が変わるなど、部活動や身体を動かすこと全般に対する考え方が変化しているなかで、”スポーツ競技としての高校相撲”というイメージを改めてつくっていくために、大会全体のビジュアルを刷新しました。この金沢大会は選手にとって集大成となる最後の大会。高校相撲という競技やそれを選んだ選手たちのことをかっこいいと思ってもらうために、まずは象徴的なこの大会がかっこつけるということが大事なのでは?ということで、相撲らしいけど、なんだか新しいという見え方を目指しました」と、コピーライター 姉川伊織さん。
新しいシンボルマークの策定にあたり、アートディレクター 河野智さんは「日本最古のアマチュアスポーツ大会、高等学校相撲金沢大会のロゴを作る。やるからには全国の選手が目指す旗印、精神的支柱として鼓舞してくれるシンボルを作ろうと思いました」と話す。
新しいシンボルマークは、炎を思わせる力強いデザインだ。
「モチーフは前進する選手の姿に、日の丸と闘志を想起させる炎を掛け合わせています。シズルや伝統感を保った適度なディテールで見た人の心が奮い立つように。それでいて炎にも選手にも見えるバランスを目指し、絵としても機能するロゴをひたすら描いては消して、探っていきました。一方で、幾何形態の欧文ロゴタイプで現代性を担保しました」
刷新したシンボルマークやロゴは、金沢駅前や会場内外ののぼり、選手たちに配られるタオル、看板などに展開された。また、当日出稿された新聞広告とポスターには「コロナ禍という向かい風を突き進む選手」が力強いタッチで描かれている。これは河野さんらデザインチームが自ら木炭で描いたもので、高校生特有の未完成なエネルギーを表そうと試みたという。
「選手を力強く見せるため、造形も硬質かつダイナミックに、色彩もハイコントラストにしています。赤と金のストライプで表した向かい風で勢いを加え、シンメトリーなレイアウトで力強いビジュアルを志しました」
北國新聞社では、国技でありながら年々減少している高校生の相撲競技人口に歯止めをかけるために、毎年開催に合わせて相撲の魅力を若い世代に伝えるプロモーションを実施。これまでのプロモーションビジュアルは、国内外の広告・デザインアワードで数多くの賞を受賞している。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+J.C.SPARK
- CD+C
- 姉川伊織
- AD+D+I
- 河野智
- C
- 佐藤一貴
- D
- 坂本亘+近藤将斗
- I
- 佐藤祐太郎
- メディアPr
- 押田竜馬
- グラフィックPr
- 今若琴音
- BPr
- 木造悠吾
- プリンティングディレクター
- 田村研二