ニュース性で「木下優樹菜補完計画」始動
私がまだ博報堂の新人プランナーであった時、某地下鉄のCMに出演するタレントさんをオーディションしたことがあります。
そのときには、まだ木下優樹菜さんは有名ではありませんでしたが、可愛げのあるヤンキー感と、六本木の夜の蝶のような……いや、抜群に魅力的だった木下さんに心をつかまれ、決定はしなかったものの、熱烈にキャスティングに推した覚えがあります。
そのときから密かに私は木下さんのファンであります。そして年月を経た今、様々な経緯はあったものの、二児のママでそれなりに頑張っているのに、全国民から叩かれんばかりの木下優樹菜さんの状況をみるのはいたたまれず、なんとかしたいと切に思うのです。
本企画は、一見どうしようもない状況や、誰も興味を持たなさそうなことをニュース性のチカラを使って魅力的になるよう、勝手にテコ入れする企画です。誰から頼まれたわけでもないですが、もし私が木下さんのリブランディング担当者であったなら!こんな「木下優樹菜補完計画」を遂行するに違いありません。
テコ入れの前に必要な“禊(みそぎ)”と“ダウンタイム”
博報堂のPRディレクターだった頃、企業の謝罪会見のプロデュースというのを何度かしたことがあります。ちなみに某政党のマニフェストの草稿を作ったこともあります。広告代理店というのはCIAのようなところだと驚いたものです。
ところでその謝罪会見にもコツというものがあり、「膿は一度に出し切れ」と先輩によく言われたものです。小分けに様々な事実を出して、何度も謝るのが最もよくないパターンで、全ての事実を1回のタイミングで出し、明確な謝罪の姿勢(土下座など)を見せ、できれば“不器用”に謝罪の念を言葉にするのです。プレゼンテーションのうまい企業役員が謝罪をすると、たまに逆効果で、人は説得されているように感じ、怒号が飛び交う謝罪会見になることがあります。今回、木下優樹菜さんの謝罪会見は明確な謝罪のアクションが無く、芸能界復帰メッセージに主眼を置いていたたため、炎上してしまったと思われます。こういう時は“禊”と“共感ダウンタイム”が必要です。
芸能人の方が炎上してしまった場合、有効な“禊”は、まず芸能界と距離を置くことを世の中に示すことです。一般企業に就職するなどして芸能界以外から収入を得ているということ示すのが得策です。そうなった場合本当に「一般人」となるので誰も文句は言えません。“禊”で成功している事例としてはカラテカの入江さんではないでしょうか。芸能界復帰の意思は表明していませんが、清掃業ビジネスに取り組み、地に足の着いたサービスを提供することで対価を得ている生き方は非常に良い“共感ダウンタイム”になっていると思います。現にタレントとしてではなく起業家としてのメディア露出が増えています。
もし仮に私が木下さんのリブランディングの企画屋であったとしたら、まずは、木下さんの地元葛飾区の建設会社に就職することをおススメします。いや本気です。
女性のキャリアを切り開くリーダーに
「地元に帰り、地元の企業に就職してやり直す」という明確にリセット感のあるアクションが“禊”になります。ちなみに葛飾区の売上高上位企業10社のうち半分以上が建設関連です。葛飾区では影響力が高く、地元貢献度も高いと思われます。そして、地元企業で就職する“共感ダウンタイム”期間に、芸能界復帰に向けフォトジェニック性のある武器を獲得します。それは建設会社で「ショベルカーなどの重機の女性オペレーター」になることです。
実は高速通信5Gの普及によって、建設業界では急速に「建設現場のテレワーク化」が実現されています。建設現場と離れた空調の効いた室内のコクピットから巨大な重機を遠隔操作できる技術が実際に使われ始めています。慢性的な人手不足に悩む建設現場に女性が進出する大きな転機です。女性重機オペレーターとして地元企業で活躍し、コロナで職を失ったCAさんやシングルマザーの重機オペレーターへの就労支援などを行えば社会貢献にもなります。
このあとワークマンとコラボして、女性アパレルブランドをプロデュースするのも売れそうです。バラエティ番組で重機オペレーション対決も盛り上がりそうです。木下さん、是非新しい女性のキャリアを切り開くリーダーとして、ポジティブなニュース性に溢れた芸能界復帰プランをご検討お願いします!