xiangyuの不思議な妄想を描いた新曲『MANHOLE』
権八:今日は宣伝しに来たんでしょ?雑なフリだけど(笑)
中村: 9月3日、最新曲『MANHOLE(マンホール)』をデジタルリリースということで、これはどんな曲でしょうか?
xiangyu:この曲は、普段歩いてる道路の下に、もしかしたら小人が住んでて、私たちがまっすぐ歩こう、右曲がろう・左曲がろう、あっち行こうって思っている、そういう自分の意思選択がもしかしたら地下にいる小人が全部操ってるのかもしれない!……という曲。そういう妄想を私はよくしながら街を歩いてて。そういう曲です。
一同:(笑)。
中村:いいですね~。
xiangyu:だらしなくない曲です。私の頭の中の妄想を曲にしました。
中村:早速、聴いてみましょうか。xiangyuさんから曲紹介をお願いできますか。
xiangyu:はい。xiangyuで『MANHOLE』。
~『MANHOLE』放送中~
中村:カッコいいっすね。
権八:カッコいい。これもアフリカのタンザニアの高速エレクトロ“シンゲリ”的な楽曲なの?
xiangyu:これはちょっと違って。でもエスニックっぽい雰囲気が好きだから、そういう感じで曲づくりは進めていきました。
権八:なるほど。ポップなんだけど、このリズムというのはあんまり無いよね。
xiangyu:確かにそうかも。ラップのつくり方もいつもと違う感じでワーッとつくりました。淡々とじゃなくて、メロディーのあるラップが今私のここ半年から1年ぐらいの気分なので、それを意識してます。
権八:だからかっこいいんですよね。
xiangyu:嬉しい、良かった。
権八:よくよく聴いてると「何を聴いてるんだろう、僕らは」ってなる(笑)。変なところに迷い込んでしまったような、独特の感覚になるよね。すごい乗っちゃうんだけど「何に乗ってるんだろう、俺」みたいな(笑)。でも気持ちが良い。
xiangyu:いつもはトラックメーカーのケンモチさんとやってたんですけど、この曲は、Gimgigam(ギムギガム)さんっていうトラックメーカーでありコンポーザーでありながらギタリストもやってる方と初コラボでつくりました。初めてのトラックメーカーの方とのコラボだったので、進め方もいつもと違っていて。だから私の今までリリースした曲の中でも、割と雰囲気が違う曲かなと個人的には思いますね。
中村:これは、さすがに曲よりも歌詞が先だったんですか?
xiangyu:いや、最初は違う歌詞だったんですけど、製作する中で自分が思ってたのと、いい意味で違うトラックをGimgigamさんが投げてきてくれて。それに対して「こういう譜割りのラップを合わせたいから持ってる歌詞のストックから違うの出そう」というつくり方をしてましたね。
権八:なるほど。「マンホールの下に小人が住んでいて、自分たちがもしかしたらそいつらに操られてるんじゃないか」っていう妄想はよくするんですか?
xiangyu:結構してます。例えば、歩いてるとたまたま鳩のフンが落ちてくるみたいな、そういうの引きがちなんですよ、私。「何で前の人じゃなくて自分に当たるの?」って。でも、これもしかしたら鳩側が狙ってるか、もしくは道の下の小人が「こいつにぶち当てよう」みたいな感じでやってんのかな?ってたまに思うんです(笑)。
権八:独特(笑)。「鳩が自分にフンしたのは、誰かが操作してるかもしれない」というのは、まぁそこまではあるかもしれないけど。それが「マンホールの下の小人の仕業だ」っていうのは飛躍がありますよね(笑)。
xiangyu:そうなんですね(笑)。
権八:でも、僕らもCMの話では、妄想したりそういう変なことを考えるのが仕事みたいなところがあるから、めちゃめちゃ共感するわけですよ。
xiangyu:良かった、嬉しいな。この話をして、最初制作チームのみんなの頭が「?」だったんです。でも「xiangyuがそこまで言うならそれで行く?」みたいな(笑)。「ありがとうございます!」って感じで進んで行きました。
権八:さっきのゴミ捨ての話だったり、風呂に入らないで寝ちゃったとか、餃子とか、ドトールの『ミラノサンドA』(2021年)も、日常の具体的な現実の歌が多いのかなと思ってたんですよ。「餃子はビールにもハイボールにも合う」とか(笑)。でも一方で『MANHOLE』は、世界観的には自分的には新しいのか、それとも「こういうのも」という感じなんですか?
xiangyu:「こういうのも」と思ってたけど、自分の中の妄想を良いリズムの日本語にどうしたら置き換えれるんだろうっていうのが自分の中ではテーマだった。そこがわからなくて。ようやく、現実のことじゃなくて自分の頭の中のことを日本語に置き換えるようになってきたから出せるようになったっていう感じはあります。
権八:なるほど。
<後編につづく>