電通と共同で運用型テレビCM事業を手がけるテレシーの2021年7〜9月期のグロス売上高が、前年同期比70倍の9億1000万円に急伸した。前四半期比でも5.4倍の伸び率となっている。1〜9月の累計では13億2800万円。
2020年にテレビ各局がスポットCMを1枠で販売する「スマート・アド・セールス」を始めたことや、ビデオリサーチによる個人視聴率の提供などを契機に、テレビCMをオンライン広告のように運用し、成果をあげようとする動きが加速している。
テレシーとデジタルインファクトの推計では、2020年の運用型テレビCM市場は50億円で、テレビCMの広告費の約0.3%ほど。両社は2025年時点で、運用型テレビCM市場は920億円、テレビにおける広告費の6%を占めると予測している。
テレシーは2020年5月に「PORTO tv」として、カルタホールディングスと電通の共同事業として立ち上がったもの。同年12月に「テレシー」に改称し、ことし1月に事業分割による新会社を設立した。テレビCMのほか、タクシーやマンション、美容室といった場所に置かれているデジタルサイネージもネットワーク化している。これまでスマートフォン向けゲームやクラウドサービス、シャンプーなどのテレビCMで活用されている。