POLAは、11月5日に日本経済新聞にSDGsをテーマにした企業広告を出稿した。
「目の前を救いたい。ぜんぶそこから始まる。」というキャッチフレーズを掲げた新聞広告に並んでいるのは、50を超えるカラルフなアイコン。これらは、POLAの社員や全国のお店で働く人たちが現在取り組んでいる課題だ。Webサイトでは、新聞に掲載しきれなかったアイコンがすべて並び、それぞれの取り組みを伝えている。
この広告を制作した背景を、クリエイティブディレクター 原野守弘さんは次のように語る。
「望遠鏡的博愛。それは、19世紀のイギリスの小説家チャールズ・ディケンズが残した言葉です。当時のヴィクトリア女王は、遠く離れたアフリカでの慈善事業に熱心でした。しかし、足元のロンドンには路上生活者があふれていた。そのような状態をディケンズは皮肉たっぷりに批判したのです。
現在、いわゆるSDGs的目標を掲げる企業が増えています。さまざまな取り組みがありますが、その多くは“望遠鏡的”にも映ります。ほんとうに大切なことは“目の前”の困っている人、悲しむ人を救うためのアクションではないでしょうか」
企画をするにあたり、チームが目を通したのは、数十年分のPOLA社内報だった。
「そこには、まさに“目の前”の課題に、地道に意欲的に取り組む人やお店が紹介されていました。“目の前”を変えたい、救いたい。アクションの起点となった個人の願いが、多くの人に伝わるように。温かみのあるイラストで、有機的なモーションで、体温を感じるクリエイティブを目指しました」(コピーライター 山根哲也さん)
新聞広告では、一つひとつの活動をそれぞれアイコンとして表現し、活動をする人たちが持つ温かみが原稿からも伝わることを目指したという。
「素敵な活動と、イラストを手がけたMACCIUさんの素晴らしいアイコンの組み合わせでチャーミングに見えながらも内容が伝わる、優しさと真摯さのバランスが取れたと思います。また、紙面からも活動のような広がりを感じてもらうため、あえて少し緩くしたトリミングなど素敵を、素敵なまま定着することに最も注力しました」(アートディレクター 福永武士さん)
Webサイトでは、新聞広告の顔つきを残しつつも、WebサイトならではのUI・インタラクションを検討した。画面上部では、最低限の操作方法としてクリックで拡大・縮小できるのに加えて、Googleマップのようにドラッグ・スクロール・ピンチインなど様々な操作方法に対応させている。
「その触り方によってイラストのムニョムニョとした変形の仕方が変わるので、それが楽しくていろいろ触っているうちに自然とさまざまなイラスト・テキストに触れている、という体験を狙いました。
また、画面下部のステートメントはスクロールで引き上げて読む形ですが、画面の2割ほどは必ずイラストエリアが残るようにしており、イラストを感じつつ文字を読めるよう工夫しています」(マウント アートディレクター イム ジョンホさん)
各店舗の活動や想いの発信に活用してもらえるよう、新聞やWebと連動したアイコンを実際に活動しているショップへ提供した。
POLAは今年3月に発表した「2029年ビジョン」で、「2021 61st ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」にて、ブランデッド・コミュニケーション部門Aカテゴリー(デジタル・エクスペリエンス)のグランプリを受賞した。こちらも今回の広告と同じライトパブリシティ、もり、マウントのチームで制作している。
スタッフリスト
- グラフィック・Web共通
- 企画制作
- ライトパブリシティ+もり
- ECD
- 杉山恒太郎
- CD
- 原野守弘
- C
- 山根哲也、スコット・レーマン
- AD
- 福永武士
- Illustrator
- MACCIU
- グラフィック
- Pr(Illustration)
- 三上太朗
- プロジェクトマネージャー
- 清水素子
- AE
- 安田あゆみ
- WEB
- 企画制作
- マウント
- AD
- イム ジョンホ
- TD/ディベロッパー
- 岡部健二
- D
- アンドレアス ブライアン ウトゥ
- ディベロッパー
- 寺田奈々
- プロジェクトマネージャー
- 叶野菖
- AE
- 安田あゆみ