新型コロナウイルス感染症の拡大前に合計7200店あった大手居酒屋14社の店舗が約1240店減り、今夏には6000店を割り込んだことがわかった。東京商工リサーチが11月22日に発表した。
緊急事態宣言などを受け、運営コストの高い繁華街やターミナル駅周辺を中心に退店が進み、2019年12月末から21年9月末にかけて約17.2%減少した。東京商工リサーチは店舗数について「業態転換をしている一部企業もあるが、全体としてはしばらく微減傾向が続く」との見方を示した。客単価は、アルコール提供の解禁によって10月以降は回復しつつある。
調査対象のうち、最も下げ幅が大きかったのは、「金の蔵」などを運営するSANKO MARKETING FOODSで108店から55店の49.0%減。次いで「タコベル」などのJFLAホールディングスが843店舗から473店舗の43.8%減、169の飲食店ブランドを持つDDホールディングス(HD)が435店舗から303店舗の30.3%減。2割以上の減少となったのは14社中5社だった。
テイクアウトの唐揚げ店や焼肉店への業態転換を進めるワタミは3月末の431店舗を底に、9月末は446店舗と増加。串カツ田中はコロナ禍以前の273店舗から細かく出退店を重ね、9月末は23店舗増の296店舗となっている。同社は繁華街だけでなく、郊外店や住宅街などにも店舗を構えているほか、メニューも串カツに特化しており、ほかの大手チェーンとの差異化を果たせているようだ。
東京商工リサーチが集計対象としたのは、レインズインターナショナル、チムニー、鳥貴族HD、JFLA HD、大庄(直営店のみ)、ワタミ(国内の外食店)、ヴィアHD、DD HD、ヨシックスHD、串カツ田中HD、SFP HD、テンアライド、ハブ、SANKO MARKETING FOODS。