ライターとして生き残るには、文章力「以外」の技術が8割

ライター・コラムニストのさとゆみ(佐藤友美)です。
宣伝会議 編集・ライター養成講座で講師を務めており、私自身も2010年に受講生として通っていました。

最近、「副業でライターをしてみたい」。「うまくいったら、独立してフリーランスのライターになりたい」という相談をよく受けます。

近年、ライターの需要はますます増えていて、私もしょっちゅう「いいライターさんがいたら、紹介してほしい」と言われています。今の時代、ライターは、戦略さえ間違えなければ十分食べていける仕事です。
私の周りには、フルタイムで働き、1000万、2000万と稼ぐライターさんもいますし、週に2〜3日働いて数百万円稼ぐライターさんも大勢います。出産や子育て、介護などのライフイベントがあっても、働き方を調整しながら長く続けていける良い仕事だなあと思っています。

ところで皆さんは、ライターに一番必要な力は何だと思いますか?
当然、「文章力」だと思うでしょうか。

もちろん、文章が上手いライターは重宝されます。
でも、TOEICが満点だからといって、必ずしも外資系企業で活躍できるわけではないのと同じように、ライターも、文章が上手いからといって、必ずしも活躍できるわけではありません。
ライターに、作家のようないわゆる“文才”は必要ありません(あってもいいですけれど)。アーティスト的な才能も必要ありません。
むしろ重要なのは、文章力「以外」の技術です。

拙著『書く仕事がしたい』にも詳しく書きましたが、心身を病まずに長く稼ぎ続けるには、仕事の選び方、企画の持ち込み方、取材の事前準備、スケジュール管理の仕方、仕事相手との関係性の作り方などが大事になってきます。
だからでしょうか。現在フリーライターとして活躍している人は、学生時代から書いていましたという人よりも、企業勤めを経験していたり、文章を書く仕事とはまったく関係ない仕事をしていた人が多いと感じます。
それは、社会人としてのふるまい方を知っていたり、このニュースに価値があるかどうか、この商品を安いと感じるかどうかなどの、生活者としての「相場感」を持っているからだと感じます。未経験からライターになりたい人にも、十分活躍のチャンスはあると、私は思っています。

とはいっても、最初はどうやって仕事をもらえばいいのか、また、どうやって仕事を増やしていけば良いかは、イメージがつかないかもしれません。

ライターになった人たちに話を聞くと、だいたい、以下のルートでライターになった人がほとんどです。

①書く仕事をしたいと宣言する
②知り合いの伝手(つて)をたどる
③誰かに師事する
④編集部/編集プロダクションで働く
⑤学ぶ場所(ライター講座など)にいく
⑥ライター募集に応募する

意外かもしれませんが、この中で一番、仕事につながるのは①です。宣言した結果、ライターを探していた知り合いの目にとまり、「こんな仕事があるんだけど、やってみる?」と言われてデビューする人が一番多い。

自分の夢を、しかもいい歳した大人になってから宣言するのは、恥ずかしいかもしれません。でも、「上手く書けるようになったら、仕事を探そう」と思っていたら、一生プロの書き手にはなれません。
どんなに素振りが上手くても、ピッチャーが投げたボールを打ったことがなければ、プロにはなれないのと同じです。書いてお金をもらう人になるためには、とにかく、バッターボックスに立つしかないのです。
書く仕事をしたいと思ったら、まず、①をやってください。②〜⑥をやるつもりの人も、1は必ずやりましょう。

⑤の学ぶ場所に行くのもおすすめです。私自身はライターになって9年目、16年目、18年目に書くことに関する講座に通いました。いま私が未経験からライターになろうと思ったら、最初に講座を受けるだろうと思います。
講座には「これからライターを目指す」人から「ある程度ライター経験はあるけれど、この先、もっと仕事を増やしたい」人まで、いろんなキャリアの人がいます。こういう人たちと一緒に学びながら情報交換すると、「書くことで、どう稼いでいくのか」への解像度がぐっと高くなります。
同期同士や、上の期、下の期で仕事を融通しあったりすることもよくあります。そもそも、ライターに仕事を発注する側の人が講座を受けていることも結構あって、そのご縁で仕事につながることもよくあります。

さらに、仕事を増やしたいと思ったら、意識すべきなのは以下の2つ。
①ひとつ仕事を終えるときに、2つ、次回案を置いてくること
②売り込みするときは、自分を売り込むのではなく、企画を売り込むこと

『書く仕事がしたい』
CCCメディアハウス

ああ……、これについても詳しく書きたいのですが、すでにずいぶん文字数をオーバーしています。もしよろしければ、『書く仕事をしたい』を読んでもらえましたら! 

そして、宣伝会議の「編集ライター養成講座」の私が担当している講義では、そういった文章力以外の内容にも深く触れますので、ご興味のある方はぜひいらしてください。

 
 
 

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講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。

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佐藤友美

ライター・コラムニスト

1976年北海道知床半島生まれ。フリーランス歴21年。
テレビ制作会社勤務ののち、2001年ライターに転身。
数多くの女性誌で編集・ライターを経験したのち、ウェブメディアの編集長としても活動。
近年は年間7〜8冊を担当する書籍ライター、7本の連載を持つコラムニストとしても活動。
読者からは「生まれて初めて書籍を1冊読みきった」「読みやすくてあっというまに読了した」などの感想を多くもらう「平易でわかりやすい文章」を書くライターとして知られる。
自著に『書く仕事がしたい』、8万部を超えた『女の運命は髪で変わる』、『道を継ぐ』など。編集・ライター養成講座 総合コースでは、業界の内情や懐事情を赤裸々に語り、ライターとしてどう生き残っていくかを戦略立てる講義が好評を得ている。
HP:https://satoyumi.com
Twitter:@SATOYUMI_0225

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