アクセンチュア インタラクティブが日本を含む世界19カ国で実施した調査レポート「The Great Marketing Declutter(マーケティングの断捨離)」によると、調査に協力したマーケティング担当役員のうち17%(日本は18%)が、不確実性や複雑性が高まった過去1年半を乗り越え、「自社のマーケティング組織は軌道に乗っている」と捉えていることが明らかに。この17%のグループに関して特徴を調査したところ、既存のマーケティングを新たに捉えなおすことで、企業や顧客に貢献し、従業員を惹きつける組織づくりへ繋げることに成功していることが分かったという。
アクセンチュア リサーチとアクセンチュア インタラクティブは、2021年6月から7月にかけて、日本を含む世界19カ国、19業種のマーケティング担当役員1022名を対象にアンケートを行い、過去1年(2020年)に顧客・消費者に起きた変化をどう捉えて対応したか、また、その変化がマーケティング組織の回復力にいかに貢献したかを調査した。
同レポートでは、顧客との関係性の捉え方に基づき、マーケターを3つのグループに分類した。ひとつは、変化する顧客の優先事項を満たすことに対して意欲的で、信頼される形で顧客と繋がっている「先駆企業(Thrivers)」で、割合はグローバル17%、日本18%。
ある程度の行動力を持っているものの、顧客変化に対する認識は限定的である「努力企業(Strivers)」の割合は、グローバルで66%、日本で46%。
顧客の変化が一時的なものだととらえている「現状維持企業(Survivors)」は、グローバルで17%、日本で36%だった。
「先駆企業」についてさらに調査したところ、59%がマーケティングを全く異なる視点で捉え直したことで、組織が昨年よりもはるかに強くなったと回答。すなわち、顧客の期待に対し、より優れた方法で応えるために必要なものを棚卸しし、重要なものには焦点を当て、重要でないものは破棄し、残りについては再検討する「断捨離」が行われていたと分析。その結果、先駆企業のマーケターは、自身の仕事により大きな意味を見出すことができるようになり、結果的に企業や顧客に貢献し、従業員を惹きつける組織づくりへ繋げることに成功したと述べる。
レポートではマーケティングを断捨離するための5つのルールとして「顧客との関係を築き直す」「組織全体で差別化する」「変化のスピードに合わせて動く」「誰もやりたがらない仕事を減らす」「自社のパーパスを体現する」を挙げ、先駆企業に共通する取り組みを示した。