Indeed Japanは日本、米国、フィンランドで現在就業中の20~40代の男女計各300人(計900人)を対象に仕事とジェンダーに関する意識調査を実施。11月18日、結果を発表した。同社によると、3カ国とも女性の方が男性よりも働きづらさを感じていることが分かった。
また、その理由についても聞くと、日本の女性が「給料が上がらない」が最多で、フィンランドの女性が「補助や雑務ばかり依頼される」、米国の女性が「昇進・昇格ができない」が最多と、各国ともにキャリアアップが共通の課題のようだ。
以下が調査結果の詳細だ。
仕事を「安定して生活するための手段」と答えたのは日本人女性が最多
働くことへの価値観を聞いたところ、3カ国とも「安定して生活するための手段」として捉える割合が高いが、日本人はそれが特に顕著。さらに、日本人女性は75.3%に上り、全属性の中で最多の結果となった。
また、男女の回答差に着目すると、フィンランドや米国では「安定して生活するための手段」と回答した割合の男女差は6ポイント以下だったが、日本の男女差は11.3ポイントも開きがあり、男女差が他国と比べて大きかった。
どの国でも女性の方が「自身の性別を不利と感じる」と回答
「働く上で自身の性別が不利だと感じた経験の有無」という質問に対しては、各国とも4割前後の女性が「ある」と回答。また、最も男女間ギャップが大きいのはフィンランド(女性は男性の3.87倍)で最も男女間ギャップが小さいのは日本だった(女性は男性の1.97倍)。
キャリアアップは3カ国とも、共通の課題に
前述の質問の回答に関し、その理由を聞くと 「給料が上がらない」「昇進・昇格ができない」は3カ国とも上位5位以内に上がっており、キャリアアップが共通の課題であることが見受けられる。
しかし、国別の特徴を見てみると、日本では2位が「セクハラを受けた」「パワハラを受けた」だったのに対し、フィンランド、米国ではそれぞれ3位、2位に「発言がしにくい・発言の機会がない」がランクイン。
こうした結果に対し、日本女子大の大沢真知子名誉教授は、「海外では意思決定の場に女性はいるけれども、発言しづらい、あるいは発言しても聞いてもらえないことに不満を抱いている女性が多いのに対し、日本ではそもそもそういう場に女性がいないことが、この違いとなって表れているのではないか」と指摘している。