ぐるなびは12月6日、新規サービス試験のための店舗を運営する、新会社の設立を発表した。得たデータを生かし、飲食店支援を強化する。代表取締役は今村俊⼀氏。出資はぐるなびが100%。
新会社の社名は「Gダイニング」。直営飲食店をオープンし、ぐるなびの新サービスや新事業のテストマーケティングを行う。ぐるなびは2023年3月期までの中期経営計画で「飲⾷店の販促サポート企業から経営サポート企業への進化」を掲げており、飲食店予約サービスのほかに、モバイルオーダーやデリバリー、食材発注支援サービスにも手を広げている。
食材発注支援では11月17日に専用eコマースサイト「ぐるなび仕入れモール」を開設した。2020年7月から21年2月にかけ、農水省からの受託事業として設置した「ぐるなびFOODMALL(フードモール)」を事業化したもの。同サイト運営で構築した約1000社のネットワークを生かし、飲食店の食材調達を支援する。食材調達は、販売促進関連市場よりも規模が大きく、新たな収益源として期待がかかる。
柱となる予約サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大が色濃く影を落としている。直近の10月は、コロナ禍前の2019年同月比で9割程度まで回復したものの、中計で掲げた23年3月期で、20年同期比3倍の目標に向けては大きな後退となった。ぐるなびは飲食店のバリューチェーン上流を含めた支援体制を築くことで、業績回復を急ぐ。
2021年9月時点の有料加盟店舗数は6万1107店舗で、前年同期比23.5%増。一方、「ぐるなび」サイトを利用する月間ユニークユーザー数は2020年12月時点で、前年同期比21.4%減の4400万人だった。