漢方薬のパッケージだけど玩具「人にやさしくなるゲーム」なぜ生まれた?

クラシエ薬品は11月20日、漢方薬ブランド「漢方セラピー」の15周年を記念したカードゲーム「人にやさしくなるゲーム」を発売した。漢方セラピーといえば、「めまい」「肩こり」といった症状や悩みを前面に配したパッケージでおなじみ。ゲームの外箱にもそのまま同様の世界観を取り入れている。

「漢方セラピー」と同様の世界観の「人にやさしくなるゲーム」のパッケージ。

「漢方セラピー」のパッケージ。

「本家と同じく、左上に銀の箔押しで双葉マークのブランドロゴを入れています。ゲーム用のカードも『漢方セラピー』で用いている色合いと連動させ、ブランドの資産を活かしました」と説明するのは、博報堂 村山駿氏だ。

不調を他者に伝える、あるいは不調がある人に気遣う言葉をかけるなど、体調にまつわるコミュニケーションは難しいもの。思いやる気持ちはあっても、うまく言葉にできないことも多い。そんなダイバーシティの問題を自分ごと化できるツールとして、カードゲームに着目。アナログゲームなどを制作するオインクゲームズ監修のもと完成させた。

 
ゲームは2~6人で遊ぶ想定で、「アプローチカード」(9種)と「症状カード」(肩こり、生理痛など45種)がある。1人が「体調不良の人」となり、その人にかける言葉の方針を決める「アプローチカード」を1枚選ぶ。たとえば「なりきり上司」のカードなら上司として言葉をかける、という設定だ。

 
次に「体調不良の人」が「症状カード」から内容を見ずに1枚選ぶ。仮に「腹痛」のカードなら、他の人々は上司になりきり腹痛をいたわる言葉をかけ、「体調不良の人」はその症状が何かを当てるという流れ。最後には「体調不良の人」が「最も適した言葉をかけてくれた」と感じた人に、双葉マーク入りの「セラピーチップ」を渡す。

制作チームが完成までにプレイした回数は、通算100回以上にも及ぶ。「一緒に遊ぶ人数や関係性を変えながら何度もプレイする中で生まれた感情や心の動きを共有し、ゲームの内容を改善していきました」と博報堂の横山由季氏。

発売後は一週間で年間目標の800箱を販売し、ドン・キホーテなどの小売店でも取り扱いを開始。既に1200箱超が売れ、医療関係者から「研修で使いたい」と問い合わせが入るなど想定以上の反響が集まっている。
 

スタッフリスト

企画制作
博報堂+博報堂プロダクツ+オインクゲームズ
CD
村山駿
企画
横山由季
監修
佐々木隼、稲垣敬子
アートワーク
小松崎里恵
制作進行
若佐晃子、金子祐史
PRプランナー
中村航
AE
横山瞳、長澤龍太郎、白坂太秀、猪沢真一

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター

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