年頭にあたり、皆様に謹んでごあいさつを申しあげます。
新型コロナウイルスは2年を経た今も終息せず、人々の生活に大きな影響を与えています。ワクチン接種が進み、経済活動が再開される一方、新たな変異株に対する警戒感が広がっています。
ネット空間では真偽不明の情報が氾濫し、信頼できる報道へのニーズは高まりを見せています。新聞各社は正確な情報を広く社会に発信し、引き続き自らの責務を果たさなければなりません。
デジタル情報の流通では巨大プラットフォームの影響力が拡大し、公正競争の阻害、言論空間の歪みといった問題が深刻化しています。報道機関とプラットフォーム事業者の間には、コンテンツの対価、デジタル広告市場のあり方など課題が山積しています。デジタル空間でも質の高い情報が正当に評価され流通する環境を確保するため、適切に対応しなければなりません。
無購読者対策は新聞界の最重要課題です。子育て世代に向けて新聞の教育への効果を訴え、試読・購読に結びつけていきます。若い親世代を読者にもつ媒体と協力して新たなPRを始めるほか、小中高生がいる無購読家庭対象のキャンペーンを継続します。
児童生徒1人に1台のデジタル端末が配備される中、デジタルと紙それぞれの長所を生かした教育が重要です。4月から成年年齢が18歳に引き下げられますが、主権者教育における新聞活用の有用性を広報し、学校図書館への新聞の配備を求めていきます。
新聞広告を取り巻く環境は依然厳しい状況ですが、新聞各社は紙の新聞広告を軸にデジタルメディアや映像、イベントなどを連携させたソリューションビジネスを本格化させています。
新聞社が持つリソースと、信頼性や到達率の高さといった新聞広告の特長を積極的にアピールしながら、多様化する広告主の課題に応えていきます。
ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、未来を切り開く努力が続いています。新聞の使命・役割を果たすため、媒体価値を高める戦略を展開したいと考えています。