舞台でセリフを飛ばしても……女優が実践する緊張しない秘訣(ゲスト:今泉力哉・志田彩良)【前編】

映画『かそけきサンカヨウ』の監督と主演女優が登場

中村:今泉監督は、この前の映画『街の上で』から6ヶ月ぶりのご登場で、志田さんは初という、感じです。
<今泉監督 前回の出演回はこちら>
新進気鋭の映画監督による独自の撮影術は“お任せする”こと!?(ゲスト:今泉力哉)【前編】
人から役柄をつくる、今泉作品の魅力の裏側(ゲスト:今泉力哉)【後編】

澤本:ようこそ、いらっしゃいました。

志田:よろしくお願いします。

中村:今回は何と言っても、封切りしたばかりの映画『かそけきサンカヨウ』の話を存分に聞きたいなと思っておりますが、毎回ゲストの方にお願いしている「20秒自己紹介」を初めにやっちゃいましょう。この『すぐおわ』は広告の番組ということでございまして、ご自身の自己紹介をラジオCMの秒数20秒に合わせてやってください、というコーナーがございます。まずは今泉監督から。

今泉:あっ、僕から。

中村:準備は大丈夫ですか?

今泉:はい。大丈夫です。

中村:では、どうぞ!

今泉:映画監督の今泉力哉です。先日キングオブコントのオープニング映像を担当して、ちょっとそれがプチバズりしたので、やってよかったです。『かそけきサンカヨウ』公開中です。よろしくお願いします。(自己紹介の時間が)余ってます。……見てください!

中村:だいぶ、メインにキングオブコントの話をしましたね。

今泉:そうですね。最近それで謎に知られたなっていうのもあったんで。

中村:確かに監督の名前でエゴサーチすると、キングオブコントでバズってましたね。

今泉:あれは、ちょっと謎の依頼でした。1個前に撮った映画の撮影最終日に、全く面識のないTBSの方からメールが来て……。「えっ? オープニングとかバラエティーとか、俺何もやったことないっすよ」みたいな。ただ、お笑い好きなことや、NSC(吉本総合芸能学院)に行っていたことを知ってくださっていて依頼してくれたとのことで……。

中村:今、聞き捨てならない話があったのですが……。NSCに行ってらっしゃったんですか?

今泉:行っていましたね。今回、かまいたちさんが審査員をしてましたけど、同期でした。

一同:へえ~。

中村:当然、放送作家じゃなくて、演者側ということですか?

今泉:その時は笑いのコースしかなかったんで。かまいたち、和牛、天竺鼠、藤崎マーケットの皆さんは同期です。今活躍している同期の方々ですが、俺はそのときの記憶を誰の記憶からも消したいぐらい、何もできていないという(笑)。

一同:ははは。

中村:ちなみに当時のコンビ名とかは。

今泉:実は俺のアドレスにも入っているんですけど、「コジカケーキ」が一番最後に組んでいたコンビ名ですね。これ、どこでも言ったことないです(笑)!

一同:へえ~。

今泉:あとは、身長が140センチくらいの小さな男の子と組んでいたときは、「子連れ」
ってコンビ名でした(笑)。これも言ったことないです! すごく恥ずかしいし、検索し
て出てきたらやばいんで、何も出てこないでほしいですね(笑)。

中村:いや~、これは今、リスナーはみんなググっていると思います。

今泉:いや、出てこないです。何も出てこないです。卒業と同時にやめているんで。

中村:キングオブコントのオープニングは、監督のアングルとして、どういうことを狙っていこうみたいな。コンセプトはあったんですか?

今泉:2020年までは、煽り映像というか……格闘技などの映像をつくってる方がやっていたと聞いていました。2021年はもうちょっとリアルを目指した形です。総合ディレクターの方が映画を見てくれていたんですけど、「生っぽい時間や、映画の空気でできませんか?」と言われましたね。「ただ、1分~2分で…」「いや、その短時間で空気つくれるかな…」という話をしながら進めていきました。

それで、本物のネタ帳やネタをつくってる携帯・パソコンを持ってきていただいて、喫茶店のセットを組んで撮影しました。『コーヒー&シガレッツ』という映画のオマージュというかそんな空気を演出をして、音楽は後付けでしたね。どの曲がハマるかいろいろ編集していたんですけど、自分のパソコンにたまたま入っていた、「くるり」の『アナーキー・イン・ザ・ムジーク』(2007年)という曲にしました。

そしたら、「くるりじゃん!」と「くるり」のファンが盛り上がってくれたり、俯瞰からのカフェの白黒映像で「『コーヒー&シガレッツ』じゃん!」って気づいてくれる人もいて……。もう俺がっていうよりも、くるりや(ジム・)ジャームッシュが好きな人たちが「ワッ!」って盛り上がってくれた感じでしたね。

中村:いやいや~。

今泉:それに、かっこつけているけどやりすぎてない、お笑い芸人の本当の真剣な表情が撮れたんでよかったです。撮影前から、なんとなく「カメラ目線じゃないんだろうな…」っていうのは、頭にあって。ただ最初に荒く編集して提出したとき、笑顔を多めに使っていたんですけど、「一応戦いなんで」「あんまりお笑い番組のオープニングっぽくはしたくないんで、笑顔を減らしてほしい」と、すごい細かいチェックがいっぱい入ったりしましたね。でも、最終的に緊張感もありつつ、独特なものになったのかなっていう感じですね。

澤本:これはいいキャスティングだね。

中村:そうですね。

今泉:楽しかったですね、お仕事として。

中村:そして、お待たせしました。志田彩良ちゃんも、20秒自己紹介をお願いできればと思います。ごめんなさい、引っ張ってしまいました。

志田:いえいえ。

中村:じゃあ、よろしいですか。では、どうぞ!

志田:初めまして、志田彩良です。7月28日生まれの22歳です。チャームポイントは、“インディアンえくぼ”です。今はラーメンが食べたくて、ずっとラーメンのことを考えてます。よろしくお願いします!

中村:いいですね!何ですか、“インディアンえくぼ”って?

志田:“インディアンえくぼ”は……、笑うとほっぺのところがちょっとへこむんですよ。

中村:へこみますよね。はいはい。

志田:これがインディアンえくぼです。

澤本:へえ~。

中村:ノーマルな“ジャパニーズえくぼ”とは違うんですね。

志田:そうですね。結構上の方にあるんですけど、インディアンえくぼ占いとかもあるんです。それを見たら、私も当てはまっていて、これはインディアンえくぼだったのかと。名前がかっこいいので、最近チャームポイントって言ってます(笑)。

澤本:ご家族も“インディアンえくぼ”できるんですか?

志田:いやぁ~、できてないと思います……。

澤本:本当に余計な質問でしたね……。

次ページ 「語彙力を消失させる「いい」映画」へ続く

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