最高賞に「流れ星新幹線」など 第59回JAA広告賞発表

日本アドバタイザーズ協会(JAA)が1月13日発表した、第59回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクールで、グランプリに森永乳業、味の素、JR九州ら3社、パナソニック、芸団協、クロススペースが輝いた。審査員長の芳賀康浩氏(青山学院大学 経営学部 教授)は「ガマンを強いられる日々に寄り添う、明るく、温かい広告が多かった」と総評。経産大臣賞はサントリーホールディングスが獲得した。

2021年は新型コロナウイルス感染症の拡大で開催を見送っていた。第59回は2019年10月1日〜2021年9月30日に国内で出稿された広告に審査対象を拡大。全1530点の広告から119人の消費者審査員が各賞を選考した。2019年度の第58回の応募数は1544点だった。

JAA広告賞は審査員に広告関係者を加えず、消費者が審査するのが特徴。今回の選考コメントでは、コロナ禍で外出や観劇などがしづらかったり、家事に追われたりといった実情を汲んだ広告や、新規性や希望をもたせる表現にひかれたことが伺える。

受賞した広告主、広告は下記のとおり。グレー地は選考コメントの一部。

【JAA賞 グランプリ】

〈新聞広告部門〉
森永乳業「海に行けないみなさんに、海から会いにきました。~飛び出す癒やし新聞~」

新聞が立体になるなんてすごい! コロナ禍で外出もままならないご時世に、動物から会いに来てくれるアイデアがとてもよい。

 
〈雑誌広告部門〉
味の素「よくがんばりませんでした」

コロナ禍で家族の食事づくりに追われる中、手間をかけないことをほめる逆説性が面白い。それでいいんだと気が楽になった。

 
〈テレビ広告部門〉
JR九州、西日本シティ銀行、LINE Fukuoka「流れ星新幹線」

人々の願いが乗った素敵な取り組み。不安が多い中、夢や希望を持ち続ける、勇気あるメッセージが伝わってきた。

 
〈ラジオ広告部門〉
パナソニック「Voice of Home 帰っておいでアナウンス(娘)」篇

パナソニック/企業(音響システム)/Voice of Home -帰っておいでアナウンス(娘)篇
 
SE:(オフィス環境音)
社内放送:今日は、ノー残業デーです。
定時退社へのご協力をお願いいたします。
 
M:♪〜
NA:これは、とある会社で実際に流れる社内放送。
しかし定時退社する社員は、ごくわずか…。
そこで音響にまつわる様々な技術を追求するパナソニックが始めたのは、
無機質な社内放送に「命」を吹き込むプロジェクト。
 
SE:(オフィス環境音)(ピンポーンパンポーン♪)
娘:今日は、ノー残業デーです。
いつもママがお世話になっております。
ママは、お家でも頑張り屋です。
私の好きなミートスパゲッティを作ってくれたり、
私が寝てからもひとりでお片付けをしてくれます。
だから、みなさんも今日は家族とゆっくり過ごす日にしてみませんか?
定時退社へのご協力をお願いいたします。
 
M:♪〜
NA:この社内放送は、社員の家族からのアナウンス。
 
世の中を変えることができるのは、
テクノロジーだけじゃない。
きっと、家族の「声」だって。
 
これからも、心揺さぶる音を、世界へ。
 
CI:Panasonic♪ABetterLife,ABetterWorld♪
子どものメッセージが心に残る。ほとんどの企業が抱える定時退社の形骸化に対して、とてもよいアイデアだと思う。

 
〈デジタル広告部門〉
日本芸能実演家団体協議会「ライブのリレー」

こんなときだからこそのライブ、音楽、舞台芸術の力を感じた。たくさんの人にシェアしたくなった、また楽しみたいと思わせてくれた。
「ライブのリレー」:コロナ禍に見舞われた日本全国のライブ関係者を支援するプロジェクト「JAPAN LIVE YELL project」が配信した動画

 
〈屋外・交通広告部門〉
クロススペース「新宿東口の猫」

話題性、トレンド感があり、日本のランドマークとなるか楽しみ。通ったら絶対目が留まる。ことし最高の屋外広告。

 

【経済産業大臣賞】

〈テレビ広告部門〉
サントリーホールディングス「宇宙人ジョーンズ・宇宙人からのアドバイス」篇

ユーモアを交えつつ感染対策をきちんとアドバイス。苦境に立ち向かう気力と勇気を与えてくれたメッセージ性の高いCM。
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