ベストセラー作家による魂の叫び「普通にできないという呪いが解けない」(ゲスト:燃え殻)【前編】

“燃え殻”というペンネームが生まれるまで

中村:燃え殻というのは、当然ペンネームでございましょう。

燃え殻:はい。

権八:そうですよね。

中村:2017年にデビューされて、今も会社勤めされているんですか?

燃え殻:休職中ですね。

中村:今はもしかしてシフトチェンジのタイミング?

燃え殻:いや、まあ何か…。いろいろと。はい。

権八:そうですよね。

燃え殻:全部ぐにゃぐにゃしてすみません。

権八:いやいやいやいや!

中村:燃え殻というペンネームの由来はあったんですか?

燃え殻:何か書く仕事をすると思ってなかったんで、Twitterをはじめるとき、『燃え殻』(馬の骨、2005)って曲が好きだったので、それにしちゃったんですよね。変えるタイミングがなかったです。

権八:あれ? どなたの曲でしたっけ。

燃え殻:元キリンジの堀込さん(曲は「馬の骨」名義)。堀込泰行さんですね。

権八:そっか。元々、小説家になるためのペンネームではなかったんですね。

燃え殻:ただのハンドルネームのつもりでした。

権八:でも、子どもの頃とかに、『週刊プロレス』に投稿してたとか……?

燃え殻:投稿してた。

権八:それは燃え殻で?

燃え殻:違います。

権八:それは違うんだ。

燃え殻:その頃はまだないんで。『燃え殻』って曲が(笑)。

権八:そうかそうか。なるほどなるほど。

燃え殻:全然違う名前でやっていました。なんか、投稿するのが好きだったんですよ。

権八:あっ! はがき職人的な。

燃え殻:ラジオ番組や深夜番組、雑誌に似顔絵を書いたり。

中村:そのとき、ラジオネームやペンネームってあったんですか?

燃え殻:なんか、ぐちゃぐちゃでしたけど、母親の名前とかにしていましたね。

権八:母親かわいそうだな。

燃え殻:本当にかわいそうですね。

権八:なんで投稿していたんですかね。

燃え殻:誰か知らない人に認められるっていうことが嬉しかったんですよね。僕のばあちゃんは飲み屋をやっていて、とにかく褒めてくれるんですよ。それは嬉しいんですけど、身内じゃないですか。

権八:はい。

燃え殻:全然知らない漫才師の人だったり、ディスクジョッキーの人が、自分のハガキを読んでくれる。そうなると、どこか「面白い!」って言われた気がして。

権八:はいはい。

燃え殻:僕、友達が全然いなかったんですけど、「誰かが認めてくれてる」「大丈夫かもしれない」みたいな。「社会に出ても大丈夫かな」ってお湯の温度を確かめるみたいな。

中村:そこまでなのか。

権八:面白い例えが出ましたね。

燃え殻:それで投稿して。

権八:今で言うところの、いわゆる承認欲求というんですかね。

燃え殻:そうですね。

中村:でも、確かに自分のお便りが読まれたりすると鳥肌ですよね。結構やめられなくなっちゃうのは、あるかもしれないですね。

燃え殻:そうですね。

次ページ 「焼酎4杯で出てくる本音」へ続く

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