ニールセン・グローバル・メディアの日本法人として、視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタルは、「ニールセン オンラインショッピングレポート2021(Nielsen Online Shopping Report 2021)」のデータをもとに、2021年の日本におけるEC利用動向を発表した。
本調査は2021年12月に実施され、パソコン、スマートフォン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の18歳以上の男女、約6,000人を対象に実施されている。
「ニールセン オンラインショッピングレポート2021」によると、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令された2020年4月以降に、オンラインショップの閲覧や購入が増加していた人の割合は、インターネット利用者の30%になるとわかった。
利用が拡大するのとともに、EC利用には次のような動向が見られるという。
1.オンラインでは、今まで購入したことのないブランドを購入する割合が高い
化粧品カテゴリにおいて、実店舗で購入した人の内13%が過去に購入したことのないブランドを選択したのに対し、オンライン購入では過去に購入したことの無いブランドを購入した人は22%にのぼった。
日用品においても過去に購入したことのないブランドを選択した人の割合は、実店舗で購入した人の結果7%と比較し、オンライン購入では19%と、倍以上になったという。
■3カ月以内に「初めて購入するブランド」の商品を購入した割合
この結果を同社は、EC利用の拡大によって消費者が実店舗で過ごす時間が少なくなると、その分商品やブランドロゴに触れる機会が減少することになり、ブランドと接触する機会が減れば、ブランド・エクイティ構築の機会を失うことを意味しているのではないかと考察している。
この傾向は、米国の消費財(CPG)市場でも見られているという。
2.実店舗での購入においてもオンラインの重要性が増加
調査から、購入場所がオンラインに移行しているだけでなく、実店舗での購入においてもオンラインは重要な情報源となっていることがわかった。
例えば化粧品では、実店舗で商品を購入した場合、その商品を実店舗で認知したという人が36%を占める一方で、同程度の34%もの人がオンラインで認知をしていた。
検討段階においても、実店舗で化粧品や日用品を購入した人の10%前後が、検索サービスやオンラインショップなどのオンラインサービスを活用していると判明した。
■3カ月以内に購入した商品を認知した場所、検討した場所
また、商品を検討する際に利用するサービスについては、年齢層によって違いが見られている。
18-34歳では商品の購入を検討する際に30%がYouTubeを、25%がTwitterを活用しているのに対し、35歳以上では検索エンジンやオンラインショップを活用する傾向がある。
同社はターゲットが商品を検討する際に求める情報が異なるのに合わせて、ターゲットにアプローチできる適切なプラットフォームを見直す必要があるとしており、自社商品の情報がターゲットに適した内容やフォーマットで、最適なプラットフォームで提供されているかを再確認する必要があると述べている。
■商品を検討する際に利用するサービス 年代別TOP5