人類に刺さるアロマ的リラックス音
権八:続きまして、どんどん行きましょう。ACCゴールド5作品のうちの2つ目です。アイベックスエアラインズの「ibexairlines on radio」です。
アイベックスエアラインズ「アイベックスエアラインズ」
「ibexairlines on radio」篇
女性客室乗務員:ミューエフエム、エフエム鹿児島をお聞きの皆様、アイベックスエアラインズで客室乗務員をしております、鹿児島出身の竹添でございます。この度、エフエム鹿児島さんからオファーを頂き、リスナーの皆様に機内での雰囲気を擬似体験していただけるよう、機内アナウンスふうに、アイベックスエアラインズのご紹介をさせていただきます。
当社は鹿児島から大阪は伊丹空港に、そして名古屋は中部国際空港に、一日それぞれ1往復を運航しております。現在10月30日ご搭乗分までの航空券をお得な価格で販売しておりますので、ぜひアイベックスエアラインズをご利用いただき、アットホームで快適な空の旅をお楽しみください。
Ladies and gentlemen. Welcome on board. We look forward to serving you again.Thank you.
澤本:また違った。
権八:はいはい。
澤本:これ、いむりんはどうだった?
井村:これですね……まず権八さんはどう思いました?
髙橋:気になる。
権八:これ、エアラインの広告ですよね。
澤本:そうそう。たぶん、鹿児島で離発着されているエアラインの自社広告だと思う。
権八:そうですよね。
井村:これ、審査で「気持ちいい」「心地いい」っていう言葉がすごい出たんです。実は先に権八さんに聞いたのも、最初ちょっとオチ期待しなかった?
権八:うん。
井村:エアラインものの設定ってラジオでよくあるから。エアラインかと思ったら違った、みたいなのもよくあるんです。これテキスト原稿を見ると、たぶんものすごい普通なんですよ。だけど、60秒が最後までするっと聞こえちゃうっていうか……。
今はコロナで、みんな飛行機に乗ってないから聞いてないアナウンスだっていうのもあると思うんです。本物の客室乗務員さんがしゃべってたり、音の構成がとても手が込んでいる。なんだか気持ちよく最後まで聞かせるっていうのが、審査ですごく盛り上がったポイントですね。意外に盛り上がった作品でした。
澤本:飛行機に全然乗ってないから、久々にこの音聞くと、「なんか旅行行きたいな」って思うよね。この音声を聞いてみたいって、すごく感じて。相当贔屓目に聞いた気がするんですよね。あと不思議だけど、飛行機の音って普通に聞いてるだけでも、ちょっといい気持ちだなって。
髙橋:なっちゃいますね!なんなんですかね?
澤本:なんだろうね、これ。
髙橋:不思議な、アロマ的なリラックス効果があるんですよね。
井村:CMで“シズルカット”ってあるじゃないですか。肉が焼けました、美味しそうに食べました、みたいな。このCMには、音でつくる、すごいシズルがあったんじゃないかなと思います。
髙橋:おもしろい!これ、私も不思議だなと思ってました。60秒を改めて聞いても、60秒と感じさせない。正直、内容がスっと入ってくるかって言われると、抜け落ちている部分も多くて。でも、「旅行に行きたいな」っていう自分たちの思いと、その後で「お得な」って言われて、「あ、行きたいな」って素直に惹かれちゃって。最後の離陸音とかも、想像が膨らむな、というのはありましたね。
澤本:たぶん、これっぽっちもつくり込んでないからいいんだろうね。リアルなものを録っている感じっていうのが。
権八:そうですね。なるほど。僕、なんか聞き逃したのかなって思っちゃって。
澤本:僕らそういう癖があるんじゃない?面白くしている場所を探すみたいなさ。
権八:そう。だから、「あれ、聞き逃したんじゃないか」と思って……。
井村:でも、僕も最初はそうでした。審査をしてて、いいのか悪いのか最初は分かんなかったんですけど、聞き終わって「60秒全部聞いてたな」っていうのがすごい新鮮な感じ。1周回って、と言うんですかね。こういうの。
澤本:でも、そうだと思う。
髙橋:素直に、審査に慣れてない私たちの目線から見ても、すごくスっと入ってきました。興味を持ったCMだったので、人類に刺さる何かがあるんですかね、これ?
一同:ははは。
権八:人類にね!
髙橋:人類みんな共通で。
権八:デカいね。話が急に(笑)。
髙橋:ナチュラル派ですね、この2作品とも。
権八:そっか。
澤本:そうそう。本当にそう。
権八:確かに。僕、「ACCでゴールドだぞ」という先入観もあるかもしれない。そうすると、何か小技が効いていたり、どこかでどんでん返しがあると思っちゃう。「くるぞ、くるぞ、くるぞ!」みたいな。それで、「あれ?こない」っていうね。
澤本:そうね。あとは、ゴールドを今2つしか聞いてないけど、ほかのゴールドと一緒に聞いてると、これらがとても心地よく聞こえるんだよね。
権八:はいはいはい。
澤本:そういうバランスが審査ではあったのでしょうね。
髙橋:こういうCMって、どこら辺の枠で流れるんですかね。
澤本:たぶん、鹿児島の近辺じゃない?
井村:「ミューエフエム エフエム鹿児島」とおっしゃってましたね。
髙橋:流すタイミングが難しくないですか?ド深夜に流れたら、確かに、ふと旅行に行きたいなって気持ちになりますけど……。でも、朝聞くと、「そういう場合じゃねえんだよ!」って感じになったりする気がします。
澤本:確かにね。
髙橋:どの枠で流しているんだろうなって、正直気になっちゃいましたね。
澤本:それはね、核心を突いていると思います。
髙橋:おお~!
澤本:こういうのって流すタイミングや時間によって全く印象が違う。最近はここで流すっていう風に決めてつくっている場合が、結構ありますね。
髙橋:へえ~、面白い。
井村:「午前2時の責任者挨拶」ってあったじゃない?静岡エフエム放送さんかな。
髙橋:ありました、ありました!
井村:そういうふうに「時間」を決めてるから、聞く、みたいなのがありましたよね。
髙橋:ありますね!あれもすごく好きでした。朝礼みたいな。
井村:そうそうそう。
髙橋:あれ、好きでしたね。
権八:それ僕らは知らないから!(笑)
一同:ははは。
井村:いやいや、澤本さんも知ってるから。
権八:そうか、僕だけ審査参加してないのか。この4人の中で(笑)。まあ、というわけですね、ちょっと今週はいろいろ目からウロコというか、耳から何か……でしたが、なんかもう本当にいろいろ勉強になりました。
というわけで、そろそろお時間になってまいりました。ACCのファイナリスト作品は、ACCのホームページからも確認できますので、ぜひチェックしてみてください。
澤本:はい、ぜひぜひ。
権八:ということで、来週も引き続きクリエイティブディレクター・CMプランナーの井村光明さん、女優の髙橋ひかるさんと、ACCラジオCM特集をお送りします。来週はラジオCM部門ゴールド作品とグランプリ作品をお送りしますよ。皆さんお楽しみに。
そしてですね、なんと髙橋ひかるさんの方から、こちらからお願いしたんですけれども、プレゼントがあるってことでですね(現在は終了)。今、サインを……。すみません、本当にずうずうしくて。
髙橋:はい。書かせていただいちゃいました。とってもとってもプリティな、女優とは思えないようなプリティなサインになってますので(笑)。皆さん、気になる方はぜひ。
髙橋:女優さんって、漢字のサインの方が多いじゃないですか? でも私はデビュー当時のこの筆記体で、スマイルが入ったサインです。ニコちゃん、私大好きなんで。スマイルは絶対入れようっていうことで、このサインをつくったんです。
権八:かわいい。ちょっとイラストというかね、顔になってますね。
髙橋:そうなんですよ。これには愛着があります。
権八:豪華な素敵なサイン。可愛いサインですね。
澤本:すばらしい。
権八:井村さんもサインするんですか?
井村:いや、遠慮しておきます(笑)。
権八:すみません(笑)。
井村:価値が下がるんで(笑)。
一同:ははは。
権八:というわけで、どうもありがとうございました。
井村&髙橋:ありがとうございました。
〈END〉後編につづく