デジタルスキルの課題の有無で、企業の経営層と教育担当とで認識に違いがあることがわかった。プログラミングのオンライン学習サービスを運営するProgate(プロゲート、代表取締役=加藤將倫)と、MMD研究所の共同調査で明らかになった。
社員のデジタルスキルについて「課題がある」とした大企業の教育担当者は84.5%、中小企業の教育担当者は77.5%に上った。一方、会社経営者・役員では「課題がある」は半数以下の48.0%で、ギャップの大きさが浮き彫りになった。
課題とする内容にも差が出た。大企業の教育担当者が最も多く挙げたのは「ミドル・ベテラン社員の習得意識が低い」で35.5%。会社経営者・役員では同じ内容は18.8%で、5番目だった。トップは「若手社員とミドル・ベテラン社員間のデジタルスキルの格差が大きい」で29.2%だった。
中小企業では「デジタルスキルを学ぶ時間を確保できない」が32.9%でトップ。同じ内容は大手企業でも0.6ポイント差で2位につけている。会社経営者・役員では上位5つには入らなかった。
教育担当者の上位に挙がらなかった課題で、経営層にのみ現れた項目は「デジタルスキルを習得しても実務の中で生かす場がない」(25.0%)と、「若手社員の習得意識が低い」(20.8%)だった。
アルバイト・パート求人サイトなど運営のディップが、企業の法人営業担当者1000人を対象とした別の調査では、「デジタルツールの導入の課題」のトップが「やり方を変えたくない人が存在(する)」で19.4%。次いで「ITリテラシーが低く、不安を持つ人が存在(する)」が12.3%、「デジタル活用に長けた人材が不足していた」が11.0%だった。
自由回答では、「反対勢力を説得することに時間がかかった」(情報通信/経営者・役員/50~99名)、「既存のやり方になれている人からシステム導入に消極的な意見」(情報通信/一般社員/2,000~2,999名)といった人材上の課題のほか、「音頭を取るのが誰になるのか?意見がまとまらずに進展しなかった」(製造業/課長/100~299名)、「経営層への理解を求めるのが大変だった」(製造業/リーダー/5,000名以上)などの声も寄せられた。