東京広告協会は2月22日、第94回定時総会を帝国ホテルで開催した。大平明理事長は冒頭にあいさつし、「コロナ禍のなか、ハイブリッドで交流や人材教育を実施した」と説明。全国各地を持ち回りで開催する全広連大会については、「沖縄返還50年の年にフルスペックで沖縄大会を開催する」と述べた。
活動報告と審議事項の承認を経て、第41回「東京広告協会 白川忍賞」の贈賞が行われ、岸志津江・東京経済大学教授に贈られた。
白川忍賞は1947年に設立された日本広告会(現・東京広告協会)の初代理事長である故・白川忍氏(資生堂 宣伝普及部長、同常務取締役などを歴任)より贈与された寄付金をもとに、1982年に制定されたもので、同氏の広告界での業績を讃えて、毎年広告の発展・向上に貢献した人物などに贈られるもの。
受賞した岸氏は長年にわたり広告効果の理論、広告管理、統合型マーケティング・コミュニケーションおよび消費者行動について研究を続けてきた。2010年度から2015年度まで女性初の日本広告学会会長を務めたほか、2006年から2016年まで日本アドバタイザーズ協会論文審査委員、2012年から2015年まで日本アドバタイザーズ協会による「重点広告課題の方向」調査の監修をするなど広告関係団体の活動にも積極的に参画。アカデミズムと広告界をつなぐ役割を果たした。
岸氏は壇上で、次のようにコメントした。
「広告業界で仕事をしたことはないが、子供のころから広告が好きで広告の勉強がしてみたいと思い、イリノイ大学に留学した。
研究テーマは、主に広告効果について明らかにしたいと思い、媒体のリーチとフリークエンシー、購買行動における効果などについて取り組んだ。残された課題として、消費経験における効果を研究したいと考えている。
産業界の皆様とは共同研究の機会をいただき、大変恵まれていた。知識は現場から生まれることを、調査研究を通して身をもって学ばせていただいた」