クラシコムの新VI、原研哉氏が設計 抽象的で無意味なものに

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは2月24日、昨年9月に創業15周年を迎えたのを機に、企業ロゴなどビジュアルアイデンティティ(VI)をリニューアルしたと発表した。デザインは原研哉氏(日本デザインセンター)。

クラシコムの新たなロゴ

従来はイスカッシャン(Escutcheon)とクラシコムの「K」を組み合わせたかのようなロゴだった

ロゴとフォントを新たに開発した。ロゴは、社名の英字表記に、コップのシルエットのような上の辺が長い台形を添えたもの。原氏は「マークは可能な限りシンプル、ミニマル(最小限)な形がいい」とした。

「シンボルマークは、イメージの依り代として機能するもので、抽象的で無意味なものほどよく働く。典型は日本の国旗で、赤い丸にはそれ以上の意味はない。しかし、それを用いるさまざまな立場の人々が、多様なイマジネーションを持ち続けることで、赤い丸は実に意味深長な、受容力豊かな記号へ育っていく。クラシコムのマークも同様で、多くの利用者や運営する方々に、多種多様なイメージを盛り込み続けていただくことで、充実したマークへ成長していくことを期待している」(原氏)

専用の書体も開発した

1)なだらかなカーブの処理 2)正円に近い円形 3)ゆるやかな脚の角度 3)視認性を考慮した角の処理 4)視認性を考慮した角の処理 5)手書きの風合いを意識した骨格

フォントはセリフ(うろこ)のない書体(サンセリフ)で、中庸さと明快な個性の両立をテーマに仕上げた。真円に近い幾何学的な「C」や「O」と、手書きのような柔らかさを持つ「R」や「S」、「M」の中央の角の位置や、「K」「R」の右下の直線(テール)の角度にもニュアンスがある。

2月24日に公式企業Webサイトをリニューアルし、使用を開始した。


 

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