EnZinは、中小企業診断士の井上教明氏が2020年4月名古屋市に開設した、資金調達などを支援するコンサルティング会社だ。現在は5人で活動している。今後の成長のために、コア事業を資金調達後のブランディング支援に広げるべく取り組んでいる。今回は、この挑戦を成功させるために、「スタンダードトレーニング」を導入した経緯や導入後の成果を、代表の井上氏、学生アルバイトでデザイナーの岩井風瑠氏とプランナーの立花優作氏に聞いた。
——「スタンダードトレーニング」を活用し始めたきっかけは。
井上:私は会社設立前から、中堅・中小企業の資金調達を支援してきました。当時は資金調達後の経営サポートは協力会社に委ねていました。会社設立をきっかけに、資金調達後も顧客企業がより成長するきっかけを提供したい、その企業の物語を生かしたブランディング活動をサポートしたいと考えるようになりました。
以前から、マーケティングやクリエイティブの事例収集のために宣伝会議のメディアをチェックしていましたが、より実践的なノウハウを身に着けたいと思うようになりました。そんななか、2021年初頭に顧客からブランデッドコンテンツの作成を依頼されました。必要に迫られたさ中で「スタンダードトレーニング」を知り、学ぶテーマの広さと実践的な内容に必要を感じて、10月から活用を始めました。
——活用にあたってどんな工夫をしましたか。
井上:2つの工夫をしました。1つ目は、受講前に期待を伝え、受講後に学んだことを実践してもらう場を用意したことです。具体的には、受講したらすぐ実践してみよう、ブランディングに役立つツールをつくってみよう、と話しました。
2つ目は、業務時間中に講義で学んだことをメンバー間でよく話すようにしていることです。本トレーニングをより上手く活用するために、講座事務局との面談で勧められたことですが、これがあって上手く行っている仕事がたくさんあります。感覚として投資に対して、100倍くらいの費用対効果を感じています。
——岩井さんは、本トレーニングを通じてどんな成果を実感していますか?
岩井:私は主に提案資料の作成を担当しています。以前は、パワーポイントのデフォルトのフォーマットをそのまま使用していましたのですが、「Illustrator活用基礎講座」を受講して、当社らしいと思えるフォーマットを作るべきだと思うようになり、使用するソフトを変更して、新たなフォーマットを作成しました。
また、並行して「ブランディングツール制作ディレクション講座」で学び、資料やツールの作成する際は「必ずコーポレートカラーに統一する」といった原則を守るように心がけました。
これらの学びを生かして、当社のブランドを表現するツールを作成しました。以前は、名刺デザインなど外部のデザイナーの方にお願いしていたと聞いていますが、講座で学んだことを取り入れて自分で作成しました。制作物は井上から好評であっただけでなく、複数の顧客から「これ自分で作ったの?こういう仕事もお願いできるの?」と反響がありました。
——立花さんは、本トレーニングを通じてどんな成果がありましたか?
立花:私は、顧客の要望に応える企画を考え、提案する役割を担っています。そこでまずは自分に必要となりそうな「企画書・プレゼン講座」と「コンセプト開発実践講座」から受講を始めました。奇しくも同時期に、顧客からビジョン・ミッション・バリューの作成を依頼されることになり、講座で学んだ「ビジョンとコンセプトとミッションが1つにつながってなければいけない」といったポイントを念頭に企画提案をしたところ、実施が決まりました。講座では事例が複数紹介され、不易流行な内容であって、なぜそうすべきかという理由も説明されており、多くの気づきを得ることができました。
——井上さんは、2人の活躍を目の当たりにして何を感じましたか。
井上:岩井について、各種ツールを刷新したことで顧客から驚かれたことと、そこから将来の仕事につながると思えた反響が得られたことは、良い意味で予想外な出来事でした。確かに、以前自分で作成していた資料と比べると、見違えるようにスタイリッシュになりました。また立花も、顧客の要望に応える企画提案が一人でできるようになったことに感心しました。
これまで自分だけでやってきたことは一体何だったんだろうと思うと同時に、今後の当社の成長を考えるうえで、自らやることとメンバーに任せることについて考え直すことができました。両名には、今後はいっそう顧客と直接関わってもらいたいと考えています。
——最後に今後の抱負をお聞かせください
岩井:実務経験がなくスキルがないことが不安で複数の講座を受講したが、学んだことを実践していく中で、少しづつ自信をつけることができました。今後は提供価値に合った対価をいただけるよう、スキルアップを継続し、顧客の仕事に携わる機会を増やし、実績を重ねていきたいです。また、今は「ロゴデザインディレクション基礎講座」を受講しています。遠くないうちに、顧客の企業のコーポレートロゴの作成の仕事もできるように挑戦したいです。
立花:顧客のビジョンやコンセプトを開発する仕事をガンガンやっていきたいです。また、並行して当社のコンセプトも策定しているため、早々に完成させたいです。いずれも創業時の思いを大切にしながら、10年後でも通用するビジョン、長く使える企業理念をつくっていきたいです。
井上:クリエイティブな制作物は使用され続ける限り、ずっと残っていくものです。今後は誰もが知っているクリエイティブを生み出す会社に成長させていきたいです。そのためにも、今回学んだことを、学んで終わりでなく、自社で実践し、他社にサービスとして提供できるように発展させていきます。また、今後も若い人がどんどん入社し成長してもらう場となるよう、社内の環境もいっそう整備していきます。
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