【前回コラム】膨大な表現方法の中で、たまたまひとつの座標を見つけた(ゲスト:友沢こたお)【後編】
今回の登場人物紹介
※本記事は2021年12月19日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
勝敗関係なくみんなを労う『M-1』打ち上げ番組の舞台裏
澤本:皆さんこんばんは。CM プランナーの澤本です。
権八:こんばんは。CM プランナーの権八です。
中村:こんばんは。WEB野郎こと中村ヒロキです。皆さん、最近のお仕事や、気になるCM などはありますか?
権八:僕から一個だけ。毎年年末恒例のM-1グランプリの打ち上げを番組でやっています。2021年の年末は、司会がかまいたちさん。今までは千鳥さんがやってたんだけど……。
中村:公開打ち上げみたいな感じですよね?
権八:そうですね。配信で、サントリーさんのストロングゼロの協賛でやっています。優勝したコンビは「おめでとう!」って感じなんだけど、負けた方たちの傷つき方が半端ないので…。だから、笑って乾杯しながら、その方たちも労おうって企画。
中村:それって、誰が優勝するか分からないのに、どうやって打ち合わせするんですか?
権八:もう大体形が決まってきていますね。最初は打ち上げと言いつつも、「面白いことやらせよう!」みたいな感じだったんですよ。でも、吉本興業の方から「芸人が傷ついてますから」みたいなリクエストとかももらって……(笑)。
中村:あはは!
権八:他にも「余計なことはやらせないでください」「とにかく癒してあげてください」みたいなリクエストももらいました。あと、昨今はコロナの影響でワイワイ飲み屋で打ち上げができない。じゃあ、どういう形が最も彼らを労ってあげられて、打ち上げとしての盛り上げも見せられるのか。……みたいな打ち合わせをやってますね。どこで打ち上げやるのかって結構大事なので。
中村:そうですよね。芸人さんからしたら、めちゃくちゃ本気で打ち込んできた集大成だから、勝っても負けても放心状態でしょうね。
権八:そうそう。だから、勝った人も負けた人もみんな誰かが何かのグランプリだぞ、みたいな。負けた人も労うことができたらなって哲学でずっとやってるんですよ。
澤本:素敵ですね。
中村:ってかさ、もしかしてこの放送ってM-1の裏!?
権八:実は裏かもしれないです(笑)。
一同:(爆笑)。
“RAD×ミスチル”、伝説的な夜が生まれた経緯
中村:今夜はやばいですね。
澤本:いつ来るんだと、待ちに待った。
中村:素敵なゲスト、RADWIMPS・野田洋次郎さんです!よろしくお願いします!
野田:お邪魔しま~す。ありがとうございます。澤本さんと食事とかさせていただくたびにお誘いもらっていて……やっと来れましたね!
澤本:いや~ありがとうございます。
中村:澤本さんとは洋次郎さんは昔からお知り合いなんですか?
澤本:知り合いっていうと、なんか偉そうだよね(笑)。
野田:俺はれっきとした友達だと思ってるんですけどね……(笑)。
澤本:そう言っていただけると嬉しい。
中村:出会ったきっかけはどういうものだったんですか?
野田:最初は妻夫木(聡)君経由だったかな。ブッキーに「ちょっと面白い人がいるんで紹介したい」って言ってもらって。……で、焼き鳥屋さんですよね。3人で、カウンターで焼き鳥を食べるという会がありまして……。
中村:すごいメンツだな!というか、すごいカウンターだな!!
野田:僕がなぜかセンターに座って。澤本さんとブッキーの間に挟まれて(笑)。日本酒をね、飲みすぎましたよね。
澤本:毎回飲みすぎるんだよね。最初会ったとき、僕は野田さんのことを一方的に知ってたんですけど、思っている人と全然違った。
野田:本当ですか!?
澤本:あのね、いい人でした(笑)
一同:(爆笑)
野田:どんなイメージだったんですか(笑)
澤本:ほら、その時ってまだ曲が少しとんがってるイメージというか……。『君の名は。』がリリースされる少し前くらい。
野田:確かに。
澤本:怖い人だと思ってたら、めっちゃくちゃ優しい人だった。
野田:今もですけど、その頃は特にメディアにも出てなかったですし。僕へのイメージがなかったのかもしれないですね。
澤本:その半年か一年後に、ライブツアー『RADWIMPSの胎盤』でMr.Childrenと対バンしている回を見に行ったんですよ。
野田:あー!伝説的な夜ですね。ミスチルさんとRADWIMPS でZepp Tokyoっていうライブハウスで対バンをするっていう。
澤本:それを見て野田さんに感想を送ったんです。もう何ていうんですか……悔しいんですよ。野田さんって横でお食事している時は気づかなかったけど、意外と大きくて。舞台の上に立って手を伸ばすと、鶴みたいにさらに大きく見えて(笑)。
中村:小林幸子的な?
権八:ジュディオング的な?
澤本:ジュディオングって(笑)。動きとか、歌とか、舞台全体がもう野田さんのものになっているのがちょっと悔しい。
野田:それ思い出しました!手足の駆使の仕方と、ステージ映えみたいなことをLINEでコメントいただきましたね。
澤本:この人と勝負するには、全然違ったものしかないというか。勝負しようと思ってたのかっていうのもあるけどね(笑)。自分は歌手でもバンドでもないんで、いつもなら誰かのライブを見ていて悔しいなんて思わなかったんですけど、そのときはすごい悔しかったんですよね。
野田:嬉しいですね。
中村:同じクリエイターとして、みたいな感じですかね。
野田:表現ってことですかね。
澤本:そうだね。その場を持っていってる感じというか。
権八:ミスチルとRADですから、すごそうですよね。
野田:僕らその10周年記念ツアーまでほとんど対バンしたことなかったんです。初めて色んなバンドと対バンしようっていう試みでした。若手も含めて様々なところと対バンしたんですよ。例えば、ゲスの極み乙女とか、クリープハイプとか、きのこ帝国とか、ハナレグミとか……。後はスピッツ、ワンオク(ONE OK ROCK)、いきものがかりとかも呼んでいて。そしたら、ツアー中に桜井(和寿)さんから声をかけていただいたんです。「RADが対バンツアーやってんのに、俺ら声かけられてないんだけど!」って言われて。「いや、かけていいんすか!?」っていう話になって(笑)。
権八:すごい先輩だなあ……!
野田:ツアー中に急遽ブッキングしました。ちょうどZepp Tokyoだけ空いてたので、急遽ライブを開催した夜でしたね。
澤本:ほんとすごかった。ミスチルが RADWIMPS に対してめちゃくちゃ本気になっていて。言い方変だけど、潰しにきているくらいの気持ちに見えた。
野田:すごいライブでしたね。最後、アンコールも一緒に歌わしてもらって。僕の大好きなミスチルの『車の中でかくれてキスをしよう』って曲を歌わせてもらいました。そして、僕らの『有心論』って曲も一緒に歌ってもらって……夢みたいな夜でした。