電通グループは3月9日、2021年のインターネット広告の種別や取引別の媒体費を発表した。2月発表の「2021年日本の広告費」で、ネット広告媒体費の内訳を示したもの。種別や媒体別で軒並み前年を超える中、アフィリエイト広告などを含む成果報酬型広告のみ、前年比94.5%の940億円で減少となった。22年は2兆4800億円と予測した。
広告種別で最も伸びが大きかったのは、20年比132.8%の「動画(ビデオ)広告」で、5128億円と大台に乗った。検索連動型広告は同比117.7%の7991億円で、8000億円が目前。ディスプレー広告は6856億円だが、20年と含まれる広告に違いがあり、連続でない。昨年の計測では5733億円だった。
動画広告のうち、伸ばしたのは、「インストリーム広告」で20年比162.3%の2915億円。構成比では57%を占めた。20年は「アウトストリーム」のほうが多かったが、逆転した。22年にはさらに伸ばし、3000億円を超える見通で、全体では6000億円台に乗る。
取引手法別では、「運用型」が20年比126.3%の1兆8382億円となった。ネット広告の構成比では85.2%を占める。「予約型」は同比111.1%で、2249億円だった。
ソーシャルメディアに出稿される広告は、20年比134.3%の7640億円だった。2000億円近く増加した。構成比ではSNS系が3168億円で構成比41.5%、動画共有系が2610億円で同比34.2%となった。
調査は、電通グループでデジタル広告領域を担うCARTA COMMUNICATIONS(カルタ・コミュニケーションズ、CCI)、D2C、電通、電通デジタルが共同で実施したもの。