花王の生理用品ブランド「ロリエ」は、ブランドアンバサダーに二階堂ふみさんを迎え、新ブランドメッセージを発表。そして、3月8日より新しいコミュニケーションを開始した。
新CMが放映された3月8日は、国際女性デー。この日は、二階堂さんが生理や生理をとりまく環境への想いを語る60秒CMを1日限りで放映した。
「何から話そうかな…」と一瞬目を伏せ、考え込み、息を吸い込む二階堂さん。「生理ってまだまだ話しにくいムードがあって、無理している人も多いんじゃないかなって思うんです」と、丁寧に言葉を選びながら話し出す。いつも通りじゃいられない、頑張りたくても頑張れない、本人の努力だけじゃどうしようもない部分もある…と、自分自身の言葉で話していく。「(生理への)理解が深まることで、変わることもあると思うから。だからまず、その一歩をここから」。その言葉とともに、ロリエの新たなスタートを宣言する。
「ロリエは、商品を通して、憂うつな期間を少しでも軽やかに過ごして欲しいという想いから、明るく前向きな姿を描いてきました。でも“CMみたいにハッピーになんて過ごせない”という声があることも事実。実情と離れた姿を発信していくことへの疑問について、クライアントと代理店の垣根をこえてたくさん話し合い、生理の描き方を改めて見直すことになりました」と話すのは、クリエイティブディレクター 石田文子氏。
これまでの生理用品のコミュニケーションは、「生理の時でもどうやったら元気でいられるか」「どうやったらいつも通りでいられるか」というイメージでつくられていることが多かった。今回、ロリエは新しいコミュニケーションのテーマとして「どんな過ごし方も選びやすい世の中に」を掲げた。
「生理の症状や状況は本当に人それぞれ。頑張りたくても頑張れない時もあれば、しんどくてもムリしなければいけない時もある。まずはそんな現状を伝えながら“ムリしない”という選択もとりやすい環境づくりをサポートしていきたい。それがチームの想いです」(石田氏)そして新しいコミュニケーションで目指したのは、「今までにない生理用品CMの佇まい」だ。
「生理を真正面から捉えながらも、家族や恋人と見ても恥ずかしさや気まずさを感じない凛としたもの。これからスリムガードの商品CMが始まりますが、そちらもナプキンを“美しいプロダクト”と捉えて撮影しています」
演出は、CMのみならず、映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』『ヒヤマケンタロウの妊娠』でも知られる箱田優子氏。「二階堂さんと箱田監督の間に流れる信頼関係もこのフィルムをとても強いものにしてくれました」と、石田氏。
新しいコミュニケーションのローンチと共に、花王は企業のオフィスなどに生理用ナプキンを設置する取り組み「職場のロリエ」を始動した。
20~30代の働く女性500人を対象に、生理に関する意識・実態調査を行ったところ、8割以上の女性が「勤務先のトイレに無料の生理用品が常備されたら使いたい」と回答したという。女性の就業率は年々伸長しているにもかかわらず、職場での生理を取り巻く環境がアップデートされていないという課題に対して、「ロリエ」にも何かできることがないかと考え、生理用品備品化の実現へ向けたプロジェクトを開始したのである。現在、宝島社、ゼリア新薬工業プレフェミン担当チーム、アクアクララ東京本社で「職場のロリエ」実施テストを先行スタートしており、各社からの意見やフィードバックを経て、今後「職場のロリエ」導入を推進していく考えだ。
また、二階堂さんは今後ブランドアンバサダーとして、ロリエ担当者とも意見交換を行いながら、ロリエと生理にまつわる悩みや課題を一緒に考え、発信する活動を行っていく。
3月18日からは、スリムガードの新CM「ムリしない」篇がオンエアされる。
スタッフリスト
- 企画制作
- 花王+電通+二番工房
- ※花王作成部
- CD
- 嶋田幸蘭
- Dir
- 松永沙都子
- PL
- 桑原明日香、武藤はる、田中美璃
- AD
- 大森佳菜
- CD+企画+C
- 石田文子
- 企画+C
- 藤曲旦子、新井奈生
- AD
- 石松愛
- PR
- 辰野アンナ
- Pr
- 石井鳳人、児嶋秀次郎
- PM
- 柴田若奈
- 演出
- 箱田優子
- 撮影
- 近藤哲也
- 照明
- 溝口知
- 美術
- 坂原文子
- ST
- 管沼詩乃
- HM
- 足立真利子
- 編集
- 越田聡(オフライン)、泉陽子(オンライン)
- 音楽
- 福島節
- CG
- MARK
- AE
- 大西将、田島伸好 、泉谷亜紗美 、衛藤淑子
- 出演
- 二階堂ふみ