~敗退~今思う、反省点
そして見事!敗退してしまったわけですが、ここからは二人で話した反省ポイントを。受賞作を見てみると、僕たちの企画に足りていなかった点を痛感させられました。3つ挙げてみます。
①ファクトのユニークさに欠けた
ゴールドを受賞したバングラデシュのチームは、ワクチンを避ける主な理由(ファクト)を「宗教的な信じ込み(例えば、神がコロナから守ってくれるなど)」とし、その信じ込みに対してアプローチしていくという企画でした。企画をサポートするユニークなファクトを見つけたという点では、シルバーもブロンズも同様で、この「ファクトのユニークさ」が僕らには足りなかったと思います。TUGBOATの岡康道さんの言葉である“Surprising yet right(意表を含む正解)”の重要さを改めて意識させられました。
今僕が身を置くコンサルティング業界では、過去や現状を捉えたファクトを緻密に積み上げることが重要です。一方、広告ではいかに人間の本質に踏み込んだファクトを抽出できるか、すなわち人間というものを圧倒的に俯瞰する力が求められると感じています。どちらの力も大事ではあるものの、今回のスパイクスを通じて、コンサルと広告における違いをそんな風に捉えました。
② プレゼンの前段が複雑だった
今回の僕らの企画は、主にテレビを用いてコミュニケーション→そのテレビの中でオリンピック→その中でのメダリストという風に、ブリッジさせないといけない部分が増えてしまい、聞いている人を迷子にさせたんじゃないかなと思います。ちゃんとロジックを積み上げようとしすぎたがゆえに冗長になり、企画の核にたどり着くまでに遠回りしすぎてしまったなと。本当に良い企画は、シンプルで伝わりやすいもののはずなんですが、そこが僕たちには決定的に足りていなかったです。
③ ワンワードで伝わる企画ではなかった
全体のコンセプトをワンワードで伝えることができなかったことも、大きな反省点です。メダリストを通じてコミュニケーションするというコアの部分を、分かりやすく一言にまとめることが最後までできず、②の反省点と同様に、伝わりづらい企画になってしまいました。
また本戦では英語でのワーディングが求められることもあり、この点は本当に難しかったです。今後挑戦される方は、英会話の練習だけでなく、英語でのコピーライティングの練習を事前にすることをオススメします!
今回入賞できなかったことは本当に悔しかったですが、世界各国の同世代の人たちと切磋琢磨し、アイデアを競い合えたことは僕たちにとって本当に良い経験となりました。またこれから来年の日本代表としての本戦出場を目指して、気持ちあらたに頑張りたいと思います!!
Ren Hasuda(はすだ・れん)
1993年生まれ。同志社大学卒業後、2016年に大広に新卒入社。プランナーとして、主に酒類の販促企画やSNSマーケティングに携わる。2020年より海外駐在員として、中国上海に赴任。現在は日本と中国を行き来しながら、日中双方のクライアント課題の解決に取り組んでいる。
受賞歴:
2020年度 ヤングライオンズ/スパイクス 国内選考PR部門ショートリスト
2022年度 ヤングライオンズ/スパイクス 国内選考インテグレーテッド部門ゴールド、ヤングスパイクス2022日本代表選出
蓮田潤(はすだ・じゅん)
1995年生まれ。早稲田大学卒業後、2018年に電通に新卒入社。
営業として、映像やグラフィックの企画制作、イベントの企画運営などを行う。
その後、戦略コンサルティング会社のA.T.カーニーに移り、顧客の課題解決を支援している。
受賞歴:
2020年度 ヤングライオンズ/スパイクス 国内選考PR部門ショートリスト
2022年度 ヤングライオンズ/スパイクス 国内選考インテグレーテッド部門ゴールド、ヤングスパイクス2022日本代表選出