いま、変革が必要なのは広告産業の「ビジネスモデル」だ―『広告ビジネスは変われるか? テクノロジー・マーケティング・メディアのこれから』刊行

デジタル環境の進展で、企業の提供価値は「モノ」から「サービス」へ転換していくと言われています。一般的には広告は「サービス業」と言われますが、広告ビジネスの多くは実は、限られた広告「枠」の取引に際しての手数料で成り立ってきました。つまりは、いわば「モノ」取引的な側面が強くありました。

高度情報社会において、広告ビジネスは現在の「モノ」的取引を前提とするビジネスモデルのまま、生き残れるのでしょうか。

3月29日に宣伝会議より刊行の『広告ビジネスは変われるか? テクノロジー・マーケティング・メディアのこれから』(安藤元博著)では、海外の広告ビジネスの潮流、GAFAなど広告ビジネスでも存在感を増すプラットフォーマーの動き、さらに日本の広告ビジネスの成り立ちからの考察を含めて、広告産業が生き残るために必要なビジネスモデルの変革の方向性を導き出します。

定価:1,980円(本体1,800円+税)
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【目次】
はじめに
・「広告」は10年後、どんな姿をしているのでしょう?
・モノからコトへの転換は広告ビジネスにも求められる
・世界を席巻するGAFAと新たな広告産業
・「広告」とは何だろうか?
・皆で、新しい世界へ入っていこう
 
第1章 広告ビジネスは「サービス業」に「転換」する
・広告はいま、どこにいるのだろうか?
・「広告」は新しい暮らし方を教えてくれるものではなくなっている?
・企業と消費者の間の「情報の非対称性」の崩壊
・広告産業に続々と参入する新しいプレイヤー
・デジタル広告費がテレビを抜いてもビジネスモデルのDXは進んでいない?
・広告ビジネスが「DX」で目指すべき姿とは?
・あらゆる産業で起きる「モノ」から「コト」への事業変革
・デジタル世界では、静的で固定されたものなど何もない
・広告産業に求められるDXとは?
 
第2章 独自の歴史をたどってきた日本の広告業界
・欧米の広告ビジネス、日本の広告ビジネスは何が違う?
・「広告代理店」は、誰の「代理」をしてきたのか?
・広告を打つことが売ることにつながりやすかった日本の市場
 
第3章 10年後、広告会社と競合するのはいったい「誰」か?
―テクノロジー競争の時代

・世界の広告会社のいま
・世界のデジタルエージェンシー売上1位は、コンサルティング会社
・GAFAが構築したウォールドガーデンとプラットフォーマーの役割
・デジタル化の進展で、これまでにないインハウスエージェンシーが登場
・社内専門組織と外部ナレッジのハイブリッド型
・「ワン・トゥ・ワンマーケテイング」の嘘?
・総合広告会社だからこそ提供しなければならない「テクノロジー」
・テクノロジーの専門家と広告人の共通点とは?
 
第4章 宣伝部からマーケティング部へ
―企業の「マーケティング」が変わる

・企業から「宣伝部」がなくなりつつある! ?
・高度経済成長期は急拡大する需要を効率的に刈り取ることが住された
・マーケティングとは何だろうか?
・マーケティングの「天動説」と「地動説」
・「生活者主導経済」の到来
・コミュニケーションはマーケティングの「入り口」になる
 
第5章 なぜ「サービス」としての広告の実現は難しかったのか
―AaaSという革新

・多様化するメディアと広告効果の指標
・「デジタルならばすべてがわかる」は本当か?
・日本特有のテレビ広告の価値
・「サービスとしての広告」はなぜ実現できていないのか?
・分断化している「プラニング」「バイイング」「モニタリング」
・「サービス」としての広告ビジネスを実現する「AaaS」
・宣伝部のKPIとマーケティング部のKPI
・米国から上陸した「MMM」とは何か?
・MMMを実践するために必要なポイント
・広告を「費用」ではなく「投資」にする
・「サービスとしての広告ビジネス」の今後
・成熟化した市場環境で、マーケティングに求められること
・「広告」と広告会社の果たすべき役割
 
第6章 DXを実現した広告ビジネスで生きる「クリエイティビティ」
・広告会社「ならでは」の役割とは何か?
・生活のオールデジタル化と「メディア」ビジネスの性格の変化
・広告ビジネスにおけるクリエイティブとは何か?
・クリエイティビティとデータは対立する ?
・データとクリエイティブの「創発」
・「デジノグラフィ」という新たな方法論
・システムとクリエイティビティが生み出す「創発」
 
第7章 「広告」がつくる「価値創造する市場」
―世界第3位の広告市場 日本から新しいモデルを発信しよう

・「広告」産業で働くことの意味は何だろうか?
・広告人の「職能」のこれからを考える
・DX化した広告ビジネスを加速させる「人」の力
・経済社会のなかで「広告」の持つ役割と意義
・戦後の消費社会の拡大期―広告・マーケティングとはどのようなものであったか?
・長期的な視野に立って、マーケティングおよび「消費社会」の変遷を見る
・市場社会で広告が持つ「価値創造」機能
・日本ならではの“総合”広告会社だからできること
・「課題先進国」からあらたなモデルを問おう
・広告会社の垣根を超えて、新しいモデルを一緒に考えたい
・10年後も生き残る「アドパーソン」の条件
 

【著者紹介】

博報堂DYホールディングス 常務執行役員
博報堂 常務執行役員
博報堂DYメディアパートナーズ 常務執行役員
安藤 元博氏

1988年博報堂入社。以来、数多くの企業の事業/商品開発、統合コミュニケーション開発、グローバルブランディングに従事し、 “生活者データ・ドリブン”マーケティングの中核組織を率いてきた。現在、博報堂DYグループのテクノロジー領域を統括する。ACC(グランプリ)、Asian Marketing Effectiveness(Best Integrated Marketing Campaign)他受賞多数。ACCマーケティングエフェクティブネス、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル等の審査員を歴任。著書『マーケティング立国ニッポンへ−デジタル時代、再生のカギはCMO機能』(日経BP社)『デジタルで変わる広報コミュニケーション基礎』(宣伝会議)ともに共著。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了(社会情報学)。

 
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