26年に会員100万人規模へ サッポロ、黒ラベルサイト刷新

サッポロビールは4月1日、ビール「サッポロ生ビール黒ラベル」の会員制Webサイト「CLUB(クラブ)黒ラベル」をリニューアルした。2026年までに会員規模を100万人規模に増やす。開設は2018年3月。21年末までの4年弱で、会員数は約30万人に伸ばした。

リニューアルに先がけて公開したコンテンツ「Star Lyrics」。音楽アーティストの新曲の歌詞を掘り下げる。掲載コンテンツは、「黒ラベル」のブランドの姿勢を伝えることがコンセプトだという

ブランドマネージャーを務める齋藤愛子氏は、「(会員規模の拡大に伴い、)お客さまが、『黒ラベル』に何を求めて、ご愛飲いただいているのか、直接的に把握できるようになった」と話す。

「会員向けに配信するメールマガジンへの反応や、Webサイトで発信するプロモーションなどへの反響もダイレクトに伝わってくる。当社のマーケティング施策にも積極的に参加していただけていることが感じられる」(齋藤氏)

サッポロビールは消費者に直接アプローチできる接点の開発に力を注ぐ。ことし2月には、もう一つの主軸ブランド「ヱビスビール」でも、会員制Webサイトをプレオープンした。

「当社のマーケティング活動の理想は、お客さまの性別や年齢といった、人口動態属性に囚われず、それぞれの嗜好に寄り添うこと。データを通じて、お客さまの欲求をより深く把握することで、それに適したマーケティングが可能になると考えている」(齋藤氏)

ただ、「CLUB黒ラベル」は、「あくまで『黒ラベル』特化したプラットフォーム」。ID基盤を共通にする予定はなく、個別で管理運営する。

今回のリニューアルでは、2010年から続けるテレビCMシリーズ「大人エレベーター」の音声コンテンツ版をスタートする。「黒ラヂオ」と題し、広告にも起用する俳優の妻夫木聡さんがパーソナリティを務め、ゲストと対談する。第1回のゲストは奥田民生さん。月に2回のペースで配信する予定で、音楽配信サービス「Spotify」でも聞ける。

もうひとつの目玉は、オンラインストアの開設だ。ビール商品ではなく、新たに開発したグッズなどを販売する予定。第一弾は、ビール醸造時に出る廃棄物を再利用したジーンズのほか、ビールグラス3種を売り出す。

「黒ラベル」のグラスは「いわゆる“鉄板”企画」。2021年のグラスプレゼントキャンペーンでは応募総数が42万件を超え、過去最多となった。「販売してほしい」という声も多く寄せられているという。

2022年度の「黒ラベル」ブランドの販売目標は、21年比27.3%増の1590万ケース(1ケースは大びん20本換算)。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、飲食店向けは苦戦しているが、家庭向けの缶商品は7年連続で販売を伸ばしている。特に20歳代の購入率が増えており、「若返りに成功していると自信を持って言える」。

サッポロビールは「CLUB黒ラベル」を、22年度のマーケティングのけん引役にしたい考え。

「『黒ラベル』がどういったブランドになろうとしているのかをご理解いただく場。味や価格といった要素を超えた価値、魅力を、ブランドの世界観を通じてお伝えし、ファンを拡大したい」(齋藤氏)


 

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