Crevo
執行役員
プロダクション事業部長
鈴木 航氏
SMBC入社後、東急エージェンシー・I&S BBDO・ADKと国内外の広告会社に在籍し、ストラテジック、メディア、クリエイティブの各プランニング領域に従事。その後EPARKの新規ビジネス開発事業部長を経てCrevoに参画。CSO、事業部長として事業を牽引する。
Q. ずばり聞きます!2022年、テレビCMはどう進化すると思いますか?
A. BtoB広告がテレビCMを席巻する!
2022年のカンヌライオンズで「B2B部門」が新設されたことからもわかる通り、広告業界におけるBtoB領域はかつてないほどの存在感をみせています。2021年はタクシー広告がBtoB広告のメディアとしてかなり注目を集めましたが、2022年は、元々C向けが多かったテレビCMにもこの流れが来るのではないでしょうか。リモートの普及もあり、接触空間や時間におけるオンオフの垣根がなくなったいま、“自宅にいるビジネスパーソン”に向けたBtoB広告が、テレビCMを席巻すると思っています。
Q. 成長を遂げる、運用型テレビCM市場。なぜ今、新規プレイヤーが続々参入しているのでしょう?
A. 複数メディアに同時接触する人が増え、効果測定可能な母数を形成したから。
コネクテッドTVの普及以降、端末としてのテレビ、PC、スマートフォン等、複数メディアに同時接触する層が増えました。特にZ世代が顕著で、SNSで実況しながらテレビ視聴をする、といったコンテンツの楽しみ方が定着。ある程度記憶の擦りこみが必要だった「続きはWebで」という展開も、いまや、視聴と同時にスマホアクションにつなげられるので、それを踏まえたクリエイティブが求められます。同時接触行動が増えた結果、定量的な効果測定に耐えうる母数形成に繋がり、再度注目を集めているのでしょう。
Q. テレビCMの活用で、広告主企業がいま一番、課題に感じていると思うことは何でしょうか。また、その解決策は?
A. デジマ由来の広告主の課題は、制作コストの評価です。
ROI重視であるデジマ経歴の長い広告主に多い課題感は、制作コストの評価です。デジタルでのフリークエンシー量においては、基本的にクリエイティブ疲労との戦いなので常に鮮度を向上させるために1本あたりのコストを低く見積もりがちです。一方、テレビにおけるクリエイティブには、他社のCMや番組との兼ね合い、マスメディアの作法等、別の変数が多くあり、全体のメディアプランやプロモーション全体のKPIを踏まえた企画とそれを実現する制作コストを緻密に設計する必要があります。