馬場さんが師匠に言われた「お前はアマチュア」、その本意とは?(ゲスト:馬場康夫、宮司愛海)【後編】

宮司アナは「クリエイター顔」?!

中村:宮司さんがアナウンサーを志したのは、いつぐらいだったんですか?

宮司:最初は、小学校4年生ぐらいの時でした。

馬場:おぉ〜、早い! 誰かを見て「この人みたいになりたい」って思ったの?

宮司:明確にはないんですけど、母親が当時「アナウンサーって頭の回転が早いし、気が利くし、素敵よね」って言っているのを聞いて、「あ、アナウンサーになったら母親が喜んでくれるのかな?」って、幼な心に思ったのがきっかけでした。で、大学生になるとみんなアナウンススクールに通ったりするじゃないですか? でも、私はお金がなくて通えなくて……(笑)

馬場:えぇ~?

宮司:そうなんですよ。で、一度諦めたんです。実際にサークルでアナウンサーみたいなことをやっていた時期もあったんですけど、あまり上手にしゃべれなかったので「あー、向いていないんだ」と思って。で、結局、思い出したかのようにアナウンサーの選考試験を受けたら、フジテレビとご縁があって……という形でした。

中村:え〜!受かるんですね。だって、倍率半端ないですよね。

宮司:いや、変わった会社ですよねえ……(笑)

権八:すご~い!

宮司:一番、肩肘張らない「そのままの自分」を見てくれた会社だったような気もします。

一同:はぁ~……。

澤本:アナウンサーをやってらっしゃって、カレンダーの制作もやってらっしゃるじゃないですか?

宮司:そうなんです。2022年の女性アナウンサーのカレンダーをプロデュースをさせてもらいまして。これは、いわゆる“女子アナ”、っていうことではなく、働く女性としての一面をカレンダーを通じて表現できたらいいな、と。今回は雑誌のJJさんとコラボしました。

馬場:初めてですか?

宮司:カレンダーは毎年出しているんですけど、プロデュースするのは初めてです。

権八:プロデューサーって、毎年アナウンサーの方がやるんですか?

宮司:ここ数年はそうですね。で、「今年はよろしく!」って、同期の小澤陽子っていうアナウンサーと、2人でやってます。

馬場:『脱力タイムズ』の方ですよね?

宮司:そうです、そうです!同期なんです。2人でプロデュースしましたが、すごく楽しかったですね。アナウンサーって、台本があって、それを読み込んで自分なりに解釈して、その場の空気を読みながら進行していく仕事なんですけど、何かを一からつくる経験はテレビ局に入ってからあまりなかった気がして。そこを経験できたのがすごく楽しかったです。

馬場:コイツ、気に食わないから2月でいいか、みたいなことってあったりするの(笑)?

一同:(笑)

宮司:ありません(笑)。でも、ひとりのショットの月と、2人の月と3人の月というのがあって。その割り振りは大変でした。

馬場:それはどういう基準で?

中村:そうですよね。「なんで私が9月なのよ」みたいな。

宮司:そうなんです。毎年ネットで「〇〇アナウンサーは今回ピンショットじゃなかった」みたいな声もあったりして(笑)。正直に申し上げますと、これまでに組んだことがない相手と組ませたり、過去2、3年でピンショットの経験がある人は省いたり……。過去と被らないようにしているだけで、そこに意図的なものはありません(笑)。

中村:人気投票的なもので決まっているわけじゃないぞ、と。

宮司:それは全然ないですね。

中村:そして、2020年フォトブックを発売されたんですね。発売後、なんと4日で重版!

宮司:はい、ありがとうございます。自分のインタビューや過去の振り返りも合わせて、日々自分がどんな風に番組と向き合っているのかをふんだんに語ったフォトブックです。『まっすぐ』というタイトルですね。

澤本:宮司さんって文章が上手いんだよ。だからずっと、「もっと書いたほうがいいです」ってお話してるんですけどね。

宮司:初めてお会いした時、澤本さんに「つくる人」な気がするよ、って言っていただいて。それでなにか機会があったらつくってみたいな、と思っていたところがあって。

澤本:なんかでもさ。クリエイター顔じゃない?ちょっと。

中村:顔?!(笑)あー、でも澤本さんは分かるんですよね、「クリエイター顔」は。

馬場:そうなんだ?

澤本:バッと見た時に、なんかクリ(エイター)っぽいとか。

馬場:あぁ~。

澤本:それは美しいとか、そういう問題とは別ですね。顔の印象で「あ、クリ顔っぽい!」っていうのを選んだら、結構当たる。もう1個は、球技をさせたらその精度が上がるという。

宮司:球技、ですか?!

澤本:つまり、野球がうまいかどうかは別として、ノックした時の反応を見ていると「この人はいいんじゃないか」っていうのがなんとなく分かる。

中村:え?!それ比喩じゃなくて、ホントにノックなの??

澤本:はい、そうしたらホントに「いい!」って思いました、僕。

馬場:えぇ〜?!

澤本:なんかねぇ、ホントに上手いかどうかは別として、球技の「初動」がいい人ってクリエイターというよりは、CMのプランナーに向いてるな、と思ったんですよ。

宮司:それは、予測して動くからっていうことですか?

澤本:そうなのかな、ちょっと分かんないですけどね。権八もね、サッカー上手いんですよ。

権八:いえいえ。僕はサッカーと野球とバレーボールをやってたせいか、なんとなく一通り人並みにはできますけど、スポーツって基本は人のマネじゃないですか?しかも、ロジックじゃなくて「感覚」じゃないですか?だから、見よう見まねで感覚をフワッと捕まえるのは得意かもしれない……。

澤本:上手そうに見せるのはうまい、と(笑)

権八:(笑)。なんとなく様になってるように見える、みたいな。確かにそれはCMに向いているかも、言われてみれば(笑)。

澤本:そういう感覚で宮司さんと最初話した時に「あ、そっち系だな」と思ったの。

権八:ちなみに、スポーツは?

宮司:スポーツは全然出来ないんです。

権八:ははははは!

宮司:特に球技は出来なくて。でも、ダンスをずっとやってきたので体を動かすことは好きなんですよ。

澤本:じゃあ、昔からダンスはしてきたんですか?

宮司:ダンスは小学校3年生ぐらいの時から高校2年ぐらいまで、長いことしてましたね。でも、球技だけはすごく肩身の狭い思い出で体育の授業を過ごす、みたいな感じで。高校のバスケットボールの授業でも「愛海はゴールの下にいて。ボールを投げるから、レイアップで入れる練習だけしてね」と。で、外すみたいな(笑)そういう学生時代でした。

馬場:一番ダメなやつのパターンだよ、それ(笑)

中村:今、プロフィールみたら「血行が悪い」って書いてあったけど。

宮司:そうなんですよ、それでハーフマラソン企画をはじめたんですよ(笑)

馬場:はははははは!

澤本:ホントに走るんですか?だんだん距離伸びてません?

宮司:練習の距離は伸ばしてます。もうぶっつけ本番でもいいんですけど。自分が苦しいからちゃんと練習しようと思って。

澤本:距離は?

宮司:10キロぐらいですね。10キロを安定して走り続けられるように。

中村:10キロを走っててもまだ血行悪いんですか?

宮司:(笑)。血行はずーっと悪いですね。

中村:ちょっと話を戻すと、そんな“クリエイティブ顔”の宮司さんは、学生時代に広告代理店でもインターンをされていたそうで。

馬場:へ〜、どこで?

宮司:博報堂です。いわゆる一般的に募集されているインターンではなくて、全然違うルートで知り合いに紹介してもらいました。博報堂内の社内ベンチャーがあって、そこに呼んでもらって……。

中村:新規事業ってことですか?

宮司:そうです。人が足りないから学生を集めてるらしいよ~、というので呼んでもらって。イベント情報を紹介するサイトを運営している会社だったんです。ウェブサイトに上げるリポート記事を自分で取材して書いて、写真撮って……そういうことをやっていました。

馬場:そのまま博報堂に入っちゃおうとは思わなかったんですか?

宮司:うーん、博報堂も受けましたね。

馬場:じゃ、受かったでしょう?

宮司:いや、フジテレビの内定が一番早かったんですよね。

澤本:テレビ局は早いですよね。

宮司:アナウンサーは特に早いですね。懐かしいですね、もう8年ぐらい前の話になるので。でも、自分の話をすることが普段ないので、すごく新鮮ですね。

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