日本コカ・コーラが新入学シーズンに合わせ、4月1日から断続的に60秒のテレビCMを断続的にオンエアした。Webでも動画広告として展開し、好意的な反響を得ている。店頭でも流して再想起につなげた。広告会社は博報堂、制作会社はAOI Pro.。
CMは「かぞく入学式」と題して、新入学のお祝いに炭酸飲料ブランド「ファンタ」で乾杯する様子を撮影したもの。炭酸の刺激への子どものリアルな表情を映像に収めた。出演した家族はTwitterなどで募集し、約70人の応募があったという。
4月1日のテレビ朝日「ミュージックステーション」内での放送を皮切りに、4月4日には同局のほか、日本テレビ、テレビ東京、TBS、フジテレビと在京キー局5社の1番組内で1日限定でオンエアした。5〜11日にも北海道、東海、関西、福岡の各エリアで同様に1日限定で流している。
日本コカ・コーラの担当者によると、特に母親層から「予想を大きく上回る反響を得られた」という。新一年生の子どもを持つ家族以外からも好意的な反応があった。
「我が子がはじめて炭酸飲んだ時の驚いた表情を思い出した、といったご自身の体験のほか、『素直な表情がとてもいい』『自分の我が子のことのように感動した』『我が家でも、ファンタでカンパイしてみたい』という共感の高い声とともに、飲用意向を感じられるコメントまで多く寄せられた」(同)
Twitterでも、「我が家の子供達の#はじめのファンタはファミレスのドリンクバーでした(絵文字)!!」など思い出を語る声や、『泣ける』『しみる』といった投稿も多く散見された。「うちの子は7日が入学式なんです! そして炭酸を飲んだことが今までないので、初めてファンタをオリジナルグラスで飲ませてみたーーーい!」といったプレゼントキャンペーンへの応募と共に飲用意向を伺わせるものも少なくなかった。
2021年に掲げた「はじめてのファンタ」の継続施策。同年は「ハジける家族って、最高だ!」として、テレビCMなどを実施した。22年は「ハジける家族に、カンパイだ!」に一部刷新し、「家族のお祝いシーン」をテーマとした。
企画は、昨年実施した消費者インタビューが元になっている。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、入学式など節目となるイベントで、マスクを着けていることで子どもの笑顔など表情がはっきり見られないこと、地域によっては、出席できる保護者は1人だけといった制限もあり、家族で笑ってお祝いしたいのにできない、といったインサイト(消費者の洞察)が得られたという。
「現在の社会状況も踏まえ、『初めてのファンタ』で乾杯し、写真を撮って最高の笑顔を残そう、という家族の過ごし方の提案は、保護者にとって、ポジティブに理解され得るのではないか、という期待感があった」(日本コカ・コーラ)
日本コカ・コーラは、「ファンタ」ではほかに、人気アイドルグループ「NiziU(ニジユー)」を起用したキャンペーンも展開している。若年層をターゲットとした施策だが、「『ハジける家族に、カンパイだ!』と共通することとして、ブランドとして、年齢や性別を問わず、『遊び心を忘れないすべての人』に寄り添うことを重視している」(日本コカ・コーラ)。