米メタ(旧フェイスブック)は米国時間5月9日、写真共有SNS「Instagram」で、非代替性トークン(NFT)を投稿したり閲覧したりできる機能のテストを始めた。クリエイターの収益化支援を示唆している。「Facebook」でも同様の機能を導入する予定。日本など米国外での実施は決まっていない。
「Instagram」責任者のアダム・モッセーリ氏は自身のTwitterアカウントに投稿した動画で、「クリエイター経済圏やクリエイターは『Instagram』にとって極めて重要だ。クリエイターが収益を得られるようにするという困難な課題に取り組まなくてはならない」と表明。「クリエイターが収入を得る方法は多いものの、その大半は予測困難で変化が早い」とし、NFTに着目したことを明らかにした。
NFTは、デジタルデータに、複製したり偽造したりすることができない証明書を付与し、それが唯一のものであることを示せるようにする技術。芸術作品などのようにデータに収集価値を持たせることができ、市場も広がっている。
暗号資産の市場調査会社ノンファンジブルコーポレーションの推計では、2021年の世界のNFTの購入者は前年比3.0倍の約230万人、販売者は同比3.7倍の約120万人に増加した。取引総額は約176億9500万ドル(約2兆3000億円)で、同比214倍と急激に拡大しているほか、平均保有日数は20年の156日間から3分の1以下の48日間と短期化しており、売買が加熱していることが伺える。