調査会社のTPCマーケティングリサーチは5月11日、2021年の男性向けコスメ市場規模は前年比1.8%増の1463億円との推計を発表した。肌の悩みを目立たなくするファンデーションなど「メイク」分野が、規模は20億円ながら前年比37.9%増と伸び率が大きくなっている。Web会議などを契機に自分の顔を見る機会が増えたほか、SNSなどで情報を得やすくなったことが背景にありそうだ。
分野別では、市場で最も構成比が高い、育毛剤や整髪料などの「ヘア」が前年比1.7%増の826億円。2020年はスタイリングやヘアカラーなど多くの商材が減収となったが、育毛剤やシャンプーが伸長し、21年は前年を超えた。次いで洗顔料などの「フェイス」が同比3.2%増の437億円と拡大した。
減少したのは「ボディ」で、前年比3.7%減の180億円となった。在宅時間が増えた結果、主力の消臭剤や制汗剤などが苦戦した。一方、除毛や脱毛商品が伸びを見せている。
ニキビや毛穴、青ヒゲなどの肌の悩みにまつわる「メイク」分野が、市場創出の気配を見せている。TPCマーケティングリサーチは「画面映りを通じてケアの必要性に気づく男性が増えた」と分析。自分らしさの表現のためにメイク商品に手を伸ばす傾向も出てきているという。特に20歳代~30歳代がメイク関連商品を入り口として、ブランドに接触するケースも出てきた。2022年度も25%増を見込む。
ブランド別トップはマンダムの「ギャツビー」で、シェア12.2%の179億円。以下、大正製薬の「リアップ」は同8.6%、アンファーの「スカルプD」は同7.0%、花王の「サクセス」は同4.7%となった。
調査期間は2022年1月~4月。