※月刊『宣伝会議』6月号(4月30日発売)では、「顧客中心経営が求められる時代 マーケティング部門の組織体制と人材育成」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。
ヤマハ発動機
MC事業部グローバル
ブランディング統括部
MCブランディングサポートグループ
グループリーダー
松本 亮氏
ヤマハ発動機
MC事業部グローバル
ブランディング統括部
コミューターグループ
グループリーダー
西村 健氏
ヤマハ発動機
MC事業部グローバル
ブランディング統括部
未来洞察グループ
グループリーダー
鷹取正幸氏
企画から導入まで全てを担う部へ
バイクやスクーター等の製品事業を運営するヤマハ発動機のMC(モーターサイクル)事業部。2020年1月に組織体制が変わり、商品企画機能を持つ「商品企画部」にマーケティング機能を加えた「グローバルブランディング統括部」が誕生した。
海外売上比率は約9割を超え、世界で50以上の国と地域で販売を行っているヤマハ発動機グループでは、以前、宣伝や販売など、対エンドユーザーとの接点構築は各拠点が主体となって現場最適の形で推し進めてきた。
しかし近年、ヤマハの数々の二輪車製品ブランドの価値やビジネス効率の向上のためには、個々の事業環境や地域の個性を活かしながらも、全世界で統一性のあるブランド戦略を推進していくことの必要性も高まってきたのだという。
「グローバルブランディング統括部」の役割は、製品ブランドやプロダクトそのものの価値を定義・提示し、それを各グローバル拠点に齟齬なく共感をもって伝えることにある。
前述の通り、同部は従来の商品企画部の機能に、マーケティング機能を加える形で発足した。元々多岐にわたる商品企画の業務と同時に、商品導入に向けたマーケティングプランを立案、販売拠点との調整を通じて、カスタマーの心に響くマーケティング活動を統括するというミッションが加わった。部員全員に、プロダクトの企画開発だけではない、日々複雑化するユーザー視点の探求、分析と、戦略構築、現場への展開、結果の評価手法開発などの、より広範なスキルが求められるようになったのだという。
そこで2022年1月、各部でグループリーダーを務める松本氏、鷹取氏、西村氏の3名が、人材育成の本格的な仕組みづくりに立ち上がった。
個々の成長を支える仕組みをつくる
グローバルブランディング統括部は、大きく8つのグループに分かれている。4つのカテゴリーグループでは商品ごとに企画から市場導入までを一気通貫で担う。その横軸を通すのが、4つの機能強化系グループだ。
グローバル統括ブランディング部の組織図
例えば未来洞察グループでは、データの収集・分析などにおいて各カテゴリーグループの業務を支援する。しかし、実際にデータ分析を行うのはあくまでも各商品の企画担当者だ。「彼らの業務支援をしていく中で、スキルを向上させ、知識を増やすチャンスを実感しました」と鷹取氏は話す。
仕組みづくりにあたり松本氏は、「全社一律の人事システムに加えて、現場で、個々の成長とキャリアを支えていく独自の仕組みをつくり、組み合わせることで、部門強化やスタッフのエンゲージメント向上への活路があると考えました」と話す。
そこで生まれたのが、西村氏のグループの若手中心で作り上げた「スキルマップ」だ。スキルマップでは、各能力について達成度をゲージ形式で可視化。「若手の社員が自ら使いたくなるものをつくろう」と、工夫したという。
―――本記事の続きは、4月30日発売の月刊『宣伝会議』6月号で読むことができます。
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月刊『宣伝会議』6月号
特集1
企業と社会のサステナビリティに貢献する
これからの「ブランド成長の定義」
・企業・従業員の“持続的な”成長に必要な
新・評価指標
九州大学 馬奈木俊介、ファンベースカンパニー 津田匡保
・マーケティングの価値再生に向けて
マーケターは一致団結できるか?
ユーグレナ 工藤 萌、Mizkan Holdings 長岡雅彦
・Z世代経営者は何を目指すのか?
3人が考える新たな指標
僕と私と 今瀧健登、Essay 江連千佳、Follop 富山知輝
・“信頼”で購買される時代に
メディアが担うべき役割とは?
桜美林大学 平 和博、博報堂DYメディアパートナーズ 島野 真、
エデルマン・ジャパン 森田尚子
レポート
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企業と人の新しいつながり方 LTV向上につなげる、CRM戦略