読売新聞東京本社とソニーグループでマーケティングテクノロジー事業を行うSMNは、読売新聞東京本社に「YOMIURI X-SOLUTIONS」(YxS)を設立し、デジタルを軸とした広告ビジネスで協業していくことで合意したと4月27日に公表した。
本協業により、読売新聞東京本社は広告業へ事業を進出させることになる。
読売新聞グループでは、新聞読者をベースとした370万IDものデータ基盤「yomiuri ONE」を保有。また、SMNでは、大手テレビメーカー4社の約780万台分のテレビ視聴データに、SMNが保有するデジタルメディアの接触データを組み合わせて効率的な広告配信を実現するデータ活用サービス「Connected TV Data Bridge(TVBridge)」にて、視聴データを保有している。
両社が保有するこれらのデータを連携することで、“新聞”と“テレビ視聴”の接触データを掛け合わせたデータマーケティングが可能となる。
広告ビジネスにおいては、新たに開発する「YxS アドプラットフォーム」に「yomiuri ONE」と「TVBridge」のデータを活用。新聞広告の最適な使い方やテレビCMの最適な放映時間帯などを割り出し、デジタル広告では届きにくいターゲットの周辺層にリーチするとともに、デジタル広告をセグメント配信するという、オンライン、オフラインを統合した、統合型マーケティングを実現していく。
■業務提携による新たな展開
広告効果についても、人工知能による分析や広告主の保有するデータ、外部データなどを組み合わせることで、広告への接触履歴や直接・間接効果の可視化を行い、オンライン広告とオフライン広告を横断して評価できる新たな指標の開発を目指すという。読売新聞グループの読売巨人軍、よみうりランド、読売日本交響楽団、よみうりカルチャー、マロニエゲートなど「リアルな接触ポイント」をメディアとして捉え、生活者へのマーケティングタッチポイントとしたうえで、データ取得ポイントとしても活用する考えだ。
今回の協業について、読売新聞東京本社 常務取締役広告局長の安部順一氏は、「加速するデジタルシフトに対応し、広告主のコミュニケーション施策に貢献していくには、媒体社の枠を超えて、デジタルを軸にして様々なソリューションを提供できる広告業に進出する必要があると考えました」と話す。
広告業に参入するにあたり、デジタルマーケティング力、技術開発力があり、テレビ視聴データも扱うSMNがベストパートナーと考え、提携について提案を行ったという。両グループは様々なアセットや生活者との接点を持ち、今後、広告ビジネスにとどまらず、幅広くビジネスに資する新たな価値を創造できると期待しています。両グループが持つ様々なアセットや生活者との接点を活用すれば、今後、広告ビジネスにとどまらず、幅広くビジネスに資する新たな価値を創造できるのではないかと期待を語る。
「2大マスのデータを連携させることで、生活者の興味あること、知りたいことに適切に応える“心地よいコミュニケーション”を創り出していきます」と安部氏。
将来的には、多様な媒体の直接・間接効果の可視化を行い、オンラインとオフラインを横断して評価できる新たな指標の開発も検討したいと構想を話した。