NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションと立教大学教授で消費研究を行う斎藤明研究室は、SDGsを意識した消費活動に関する調査結果を発表した。調査はインターネット上で、全国18歳以上の男女1105人を対象に行われた。
調査の結果、SDGsを意識した消費経験は約3割に留まった。女性が男性よりも10ポイント以上高く、男女での意識の違いが示された。また、価格負担増に対しては、3割増までなら負担できると約9割が回答したが、若者層は5割増までと回答した割合が高く、世代間の意識の差も明らかになった。
調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査期間:令和4年3月4日~令和4年3月7日
有効回答者数:1105名(男性555名、女性550名)
回答者条件:18歳以上の全国男女
(1) SDGsに対し約半数が好感を持っている。性別で見ると女性で好感度が高い。
SDGsの認知は全体の46.6%で、認知している人のうち82.5%が内容を理解していると回答。全体の約半数がSDGsに好感を持っていると答えたが、男性は43.1%、女性は55.3%と、男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図1)
図1 SDGsについて好感を持っている(単位:%)
(2)「SDGsを意識した活動はよりよい未来に不可欠」の認識にも、男女間で10ポイント以上の差
“SDGsを意識した活動は、よりよい未来を構築するために不可欠である”との考えに対し「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した割合は全体の約半数(51.2%)。男性では45.4%、女性では57.0%となっており、ここでも男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図2)
図2 SDGsを意識した活動はよりよい未来を構築するために不可欠である(単位:%)
(3) SDGsを意識した消費経験は全体で約3割。男女と世代間で差が見られる。
SDGsを意識した消費を経験したことがあった人は全体の27.8%。男性は21.4%、女性は34.2%で、ここでも男女間で10ポイント以上の違いが見られた。(図3)
年代別では、35-44歳、65歳以上で経験者の割合がやや高い。(図4)
図3 SDGs消費の経験(男女別)(単位:%)
図4 SDGs消費の経験(世代別)(単位:%)
(4) 具体的な購入品目は食料品や日用雑貨・消耗品
SDGsを意識した消費経験がある人に、具体的な購入品目を聞いたところ、「食料品」日用品等」「衣料品」「電力」の順で回答が多かった。女性は「食料品」が高く、男性は「電力(再生可能エネルギー等)」が女性よりも10ポイント以上高かった。(図5)
図5 SDGs消費経験のある品目(複数回答)(単位:%)
(5) 価格増負担への限界ラインは「3割増」までが最多
代表的な購入品目4つ(食料品全般、日用品等、衣料品、電力)ごとに「これ以上高いと高すぎて買えないと思う価格」について聞いたところ、いずれの品目でも3割増の回答が最も多く、次いで5割増だった。年代別では、18~25歳までの若年層で5割増の回答が最も多かった。(図6)
図6 「日用雑貨・消耗品(木や紙のストロー等)」について、これ以上高いと「高すぎて買えない」と思う価格(単位:%)
女性と若年層を中心にSDGsに一定の理解があることが明らかとなり、今後「SDGs消費」を牽引していく期待が感じられると、同調査ではまとめている。