公取委、「優越Gメン」を創設 広告業も調査対象業種に

公正取引委員会は5月20日付で「優越Gメン」を創設した。独占禁止法上の「優越的地位のらん用」について、事業者への立ち入り調査などの業務を担う。公取は「広告業」も緊急調査対象の業種のひとつに選定している。昨年末に内閣官房が政府横断で打ち出した「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」の一環。

「優越Gメン」は16名体制で、公取の正規職員が務める。公取はかねてより、取引先の労務費、原材料費やエネルギーコストの上昇分を取引価格に転嫁することを拒んでいることが疑われる業種について調査を進めている。

価格転嫁の構造は(1)流通販売業者→生活材メーカー→原材料業者といった生活関連のサプライチェーン (2)原材料から加工、部品、納入のサプライチェーン (3)サービス提供に関する委託関係 の3つに分類。「広告業」は(3)の中心となる業種のひとつとして挙げられている。

3類型・22業種について実施した書面調査の結果、「優越的地位のらん用」などの問題の端緒をつかんだ場合は、「優越Gメン」が立ち入り調査を行う。2021年度末までに把握した情報については、6月をめどに報告書として取りまとめる予定。1月26日に設置した通報フォームには約1カ月で77件の情報提供があった。現在も通報数は伸びている模様。

優越的地位のらん用は、取引上優位な立場を利用して、取引相手に不当に不利益を与える行為を指す。独占禁止法で禁じられている。


 

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