※本記事は、2022年6月1日発売の『販促会議』7月号の転載記事です。
第14回販促コンペ公式サイトはこちら。
熊倉彩乃氏
デジタルプロモーション本部
第2プロデュース部
プロデューサー
(2014年入社)
伊藤 凱氏
第五営業本部
セールスデベロップメント部
(2021年入社)
碓井彩佳氏
フロンティアダイレクト
第一営業本部営業5部
碓井ルーム
アシスタントプロデューサー
(2016年入社)
イベントやデジタルなど、統合的なプロモーションの企画・制作・運営によってクライアントの課題を解決するマーケティングソリューション企業のフロンティア。中でも「販促」は事業の主軸となり、販促コンペへも第1回から社員の参加実績がある。同社マーケティングプランニング本部の児玉昌彰本部長は「フロンティアは社員全員がプランナーです。一人の人間が営業も、プランニングも、制作も行い、それぞれにトータル能力が求められます。そのため販促コンペは全社のプランニング力の底上げとして取り組んでいます」と語る。中でも、力を入れているのが若手・女性社員の参加促進だ。
新人研修の学びを販促コンペで実践
同社では、新人研修の際に、マーケティングやプロモーションに関するカリキュラムが組まれている。マーケティング講座に始まり、研修後半では3~4人のチームを組み、企画ワークショップで擬似販促コンペを体験。その後、実践編として実際に販促コンペに参加をしている。その際に重要な項目としてあげられるのが、販促コンペの選考基準でもある4つの視点だという。
・「課題のテーマや目的にあった企画であること」
・「具体的な成果が見込める企画であること」
・「課題の特徴を捉えた創造性のある企画であること」
・「実現する可能性が高い企画であること」
入社2 年目の伊藤氏は昨年の新人研 修で、ウェブARツールを使ったプロ モーションアイデアの企画(第13回販 促コンペの課題)に挑戦。「はじめは、企画書の書き方もわからない状態だったので、自分たちが考えたことをどの ように伝えるかを一から考えました。 過去の受賞作品の企画書を見て勉強するなど、自主的に多くのことをインプットする機会になりました」と振り返る。
また、「入社後数日で現場に立たなければいけない企業もある中で、フロンティアは約2 週間という長い時間を販促コンペに充てさせていただけるほど、若手のうちから企画力を鍛えることに力を入れていると感じました」と語り、「『斬新なアイデアを出す人』や『実現可能性を冷静に判断する人』など同期同士のキャラクターを把握することができ、実際の仕事の進め方などもイメージすることができました」と話した。
部署の垣根を超えたコミュニケーション
SNSの浸透により、女性インフルエ ンサーが多くのファンを獲得するなど、消費者インサイトでも女性ならではの 視点が重要になっている。こうした中、同社の女性比率は約4 割と高く、女性 プランナーの育成にも力を入れている。入社当初から、販促コンペへ取り組む 熊倉氏は「女性ならではの切り口を考 えようと、年次の異なる若手メンバー と一緒に女性だけのチーム編成で参加 したこともありました」と話す。通常 業務では関わりの少ない社員同士の交 流も生まれたといい、「自分の案件の 資料として、女性社員に向けたアンケートを実施したり、販促コンペのつながりで生まれたアイデアもありまし た」と語った。
また、碓井氏は今年、コロナ禍で入社した2 ~ 3 年目の若手社員を中心にチームを組んで参加。「ここ数年はコロナ禍で直接ブレストをする機会が減っていました。今年は販促コンペがきっかけとなり直接意見を言いあう機会が2年ぶりに生まれ、意外な人物から斬新なアイデアが出るなど、皆が楽しんでコミュニケーションを取る機会になっています」と話す。
課題の本質を見抜き一歩先の提案へ
熊倉氏は、「通常業務では、代理店を通じてクライアントの課題改善を行うため、予算や方向性などある程度縛りのある状況で企画立案を行います。一方、販促コンペは普段携わらない分野の課題を選択したり、ターゲットへのアプローチ方法も一から考えることができます。自由な発想で課題に取り組むことで、通常業務に戻った時も、代理店に対しクライアント視点で考えたプラスワンの提案ができるようになりました」と話す。一方で、「販促コン ペは途中段階でクライアントに方向性 のずれがないかの確認ができないため、自由である分難しい面もある。そのた め、ブラッシュアップなど他の人の意 見を聞くことに時間を割いています」 と分析する。
スキルアップで業務の幅も広がる
販促コンペは、優れた企画は採用され、実際のプロモーション施策として 世に出るなど、実務的・実践的なコン ペティションだ。碓井氏は「いつか自 分が考えた企画が世に出るかもしれな い。普段販促物制作を担当しているため、自分の携わったものが店頭に並ぶ など、その喜びを知っている。それを 若手にも感じてほしい」と話す。伊藤氏は「1 年間の自分の成果を見せるため、今年は、チームと個人で複数点出す予定です。普段の業務も忙しく、並行する苦労もありますが、販促コンペ のアイデアを考える時間がリフレッシ ュになり、自身のスキルアップにもつ ながっていると感じます」と意気込む。さらに熊倉氏は「昨年までは、若手社 員の参加へアドバイスといった形で携 わることが多かったが、今年は個人の 参加を目指しています。『このアイデ アを実現したい』と一目でわかるようなよい企画を出せるよう頑張ります」と語った。