北京オリンピックの取材に持ち込んだ荷物は、スーツケース3つ分!?(ゲスト:宮司愛海アナウンサー)【前編】

優等生・宮司アナの素顔やいかに?

中村:宮司アナは、弟さんのために仕送りをしていたというエピソードを見たのですが、あれは本当なんですか?

宮司: いや〜。半分本当、半分違います。仕送りをしていた時期もある、という話ですね。その話を大々的に言った事は無いんですよ。だから、「どこから回っているんだろう、その話?」と思って(笑)。それが私のWikipediaに書いてあるんですよ。しかも、自分が見るたびに情報がどんどん追記されているので、一体誰が、いつ書いているんだろう?って思いますね。一度、書いている方とお会いしてみたいです。 大体、合っているし(笑)

澤本:あはははは。

中村: 澤本さんもWikipedia、ありますよね?

澤本:あったあった、この間。

宮司:この間?!(笑)

澤本:この間見てみたら、あった。

宮司:どんなことが書いてあるんですか?

澤本:大体、合ってます。

宮司:ですよね?不思議ですよね。

澤本: 不思議ですね。でも、大体僕らの場合は、昔答えたインタビューや、書いたコラム的なものから拾ってきて、「こんなこと、言ってました」と言われる感じですね。

中村:でも、それを誰が編集しているんだろう?っていう。

澤本:大変だと思うんだよね。

中村:宮司さんにはいい噂しかない。

宮司:そんなことないです(笑)。でも、逆に怖いですけどね。ちょっとハードルが上がると、それを乗り越え続けるのが大変じゃないですか。

中村:周囲が思う「宮地アナ像」みたいなのは、やっぱり感じるんですか?

宮司:最近感じる様になりました。そんな大層な人間じゃないのに、段々ハードルが上がっているような気がして……。出来れば、それをくぐっていきたいんですけど、それもまた自分のキャラクターが良しとしない、みたいな。

最近、ちょっとそういう葛藤があります。どうやったら今までのイメージを崩していけるかな、と。それを2022年の課題にしたいな、と思っているんですよ。だから、沢山失敗しようと思ってます。

澤本:それはいいですね。

宮司:2022年のテーマは、「たくさん、失敗する」ですね。

ギリギリまで北京入りは決まっていなかった

中村: そんな中、今回の北京オリンピック。これは大抜擢じゃないですか!

宮司:いやいやいや。そんなことはないです……。

中村:これは最初「宮司、行ってこい!」と?

宮司:はい、そうですね。

中村:その時は、どんな気持ちだったんですか?

宮司: 実を言うと、最初は北京オリンピックの中継の体制も、どうなるか分からない状況だったんですね。それもやっぱり、コロナの影響で「本当に現地入りできるのか?」と。一部を東京、一部を北京にして、手分けして中継するのか?といった部分が全く決まらなくて……。なかなか不透明な部分が多かったので、いきなり「北京に行ってください」とは言われていないんですよ。なんか、ぬる~っと北京に行くことになっていたというか……(笑)

中村:え、どういうこと?

宮司:あはははは。北京オリンピックにかかわる事は、東京オリンピックが終わってから既定路線だったといいますかね。スポーツを担当する身としては、やはりオリンピックを担当することを想定しながらやっているので。ただ、まさかギリギリまで決まらないとは……(笑)

澤本:はははは。

宮司:それぐらい現場が混乱していたんですよね。

中村: 行けそうになった時に、直前になって「宮司さん、やっぱり行ってちょうだい!」と?

宮司:はい。決まってからは少し不安でしたね。そもそも中国に行ったことがないので、普段の中国の様子も分からないですし。さらには今回、北京オリンピックのすごく厳しい「バブル」の中で決まり事が多くて。コロナの対策もしなきゃいけない、自分が陽性にならない対策もしなきゃいけない、と。何から手をつけたらいいのか?みたいな感じでしたね。

澤本:たぶん、聴いている人がみんな知りたいのは、「バブル」の中って、実際はどうなっていたんだろう?ということですよね。

「バブル方式」の実態を明かす

宮司:かなり厳しかったですね。「クローズドループ」と呼ばれる方法をとっていたんです。まさに閉じられたループの中でしか生活できなかったんですよ。外に出る時は、基本的に車で移動しなくてはならなくて……。公共交通機関もダメ、徒歩もダメ、と。

澤本:徒歩もダメなの?

宮司:ダメですね。クローズドループ内の徒歩はいいんですけど、そんなに歩くところはないんです。基本的には、閉ざされた環境の中で生活をする。一応、メディアの方々が泊まるホテルもいくつか用意されていたんですけど、ホテルの前にも高いバリケードが張ってありました。「ガシャーン!」と開けて、車で入って降りて、出る時も車に乗って出て、と。それを1回1回やらなきゃいけなくて。

もちろん、町のコンビニまでお買い物もできないですし、町でごはんを食べに行くこともできないです。ホテルと会場とメディアセンターを行ったり来たりで、そこしか行く所がないという……かなり厳しかったですね。

澤本:PCR検査は、結構な回数をするんですかね?

宮司:毎日、受けていました。防護服を着た方々が各ホテルに駐在していて、メディアセンターにもホテルにも「PCR検査コーナー」みたいなのが絶対に設置されているんですよ。外出する前にみんな必ずPCR検査を受けなきゃいけなかったです。かなり厳格なチェックをされるんですね。「この人は受けていない」と分かると、委員会から連絡がくるんです。ホテルの電話でも「受けなさい」と言われるし、陽性になったら「陽性者だけのホテル」に隔離されて……という。厳しかったですね〜。

澤本:毎日ですか。

宮司:毎日です。北京に着いた時、空港でも鼻と喉でPCR検査を2回受けたんですけど……。PCR検査って、受けられたことあります?

澤本:あります、あります。

宮司:鼻の粘膜でされたことはありますか?

澤本:奥にグリグリ入れる、痛いやつでしょ?

宮司:そうです。あの痛い検査が、北京の空港ではさらに痛くて……。鼻から喉元まで降りてくるんですよ。

澤本:え?すっごい突っ込むってこと?(笑)

中村:そんなんなの〜?!胃カメラみたいな感じ?

宮司:もう、それぐらいの感覚でしたね。鼻からどこの粘膜を採取してるんだろう?みたいな(笑)。喉の方まで貫通して降りてくるので、「おおぉ~!!」みたいになる。まずは、そこで「第一の洗礼」を受けましたね。それから毎日、このPCR検査を受けなきゃいけないのか~、と思ったんですけど。それからは喉の粘膜だったので、ちょっと「オエッ!」てなる程度でした。とはいえ、ストレスでしたね~。

中村:日々、宮司愛海の粘膜を採取されて……。

澤本:笑

中村:ごめんなさい。できるだけ「深夜っぽい話」にしようと思いまして……。

澤本宮司:あはははは!

澤本:どこがだよ!PCR検査で(笑)

宮司:でも、人によって上手い下手があったんですよ、すごく。

中村:採取の仕方が?

宮司:はい。皆さん、防護服を着ているので顔もあまり分からないんですけど。 目元を見たら「あ〜、この人、あんまり上手じゃない人だ……」「この人は軽くやってくれる人だな」といったことが段々分かるようになってきました(笑)。ちょっと強い人には「優しくね」って言ってみたり。そうすると「OK!」とは言ってはくれましたけど、あんまり変わりませんでした。

澤本中村:笑

中村:あとは、日本の選手にも全部「使い捨てスマホ」が配られたりしていましたよね。インターネット環境も全然違ったんですか?

宮司:そうですね。メディアセンターの中のWi-Fiは「グレート・ファイアウォール」は除外された状態のスマホが支給されていました。ただ、町中に出て「テザリング」をする時には、各種SNSは見られないんです。だからBPNを入れて、違う接続方法で見ていました。

禁止されてはいなかったので、それほどストレスはなかったですけど、やっぱり日本に比べると通信環境があまり良くなかったですね。動画は見られないですし、普段と情報の仕入れ方がちょっと違うというか、苦労した部分はありましたね。

澤本中村:なるほど~。

次ページ 「ロボットが調理から配膳までこなす食堂?!」 へ続く

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