米連邦取引委員会(FTC)は6月3日、デジタル広告のガイドライン「ドットコム・ディスクロージャー」のパブリックコメント募集を始めた。2013年3月初版のガイドラインだが、一部企業で悪用されているのに対処するほか、新たな広告手法やユーザーインターフェース向けの改定を検討する。期間は8月2日まで。
「ドットコム・ディスクロージャー」は、FTCがオンライン広告における情報開示について定めたガイドライン。eコマースサイトや、文字数が限られるSNS投稿やハッシュタグなども想定されている。
FTCの消費者保護局長を務めるサミュエル・レビン氏は、「〔誤操作を招いて広告に反応させるなどの〕ダークパターンや、そのほかのオンライン広告における欺瞞的、詐欺的行為を正当化するために、現行ガイドラインを誤った方法で引用している企業があることを承知している」という。
「消費者を害悪にさらす恐れのある罠が認められないことを明確にすべく、ガイドラインの更新を検討している。広く意見を聞けることが楽しみだ」(レビン氏)
意見を募るのは、(1)ソーシャルメディア広告 (2)ゲームやバーチャルリアリティに埋め込まれた、ターゲティング広告 (3)閲覧者の意図せざる操作を誘導するダークパターンなど。
現行のガイドラインがスマートフォン向けの広告に適切に対応しているかどうかや、eコマースやアフィリエイト広告に関わる事業者間の取り決めや、広告に必要な情報開示が複数のWebページを閲覧しなければならない場合の適切さについても意見を求める。
米FTCは5月にも購入者などを騙ったニセの評価(レビュー)を投稿するなどの行為について、取り締まりを強化する方針を打ち出した。子どもを騙すステルスマーケティングについての項目も盛り込む予定。レビン氏はすでに「一部マーケターに対して警告を出している」とした。10月にも、子ども向けの広告における情報開示について発表する。