東京ガス都市生活研究所は、若年層を中心につながり意識・価値観・生活意識に関する調査を実施。6月、分析レポートを発表した。対象は一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の20~59歳の男女、有効回答数は1856件。
本調査では年代別の「つながり意識」「価値観」「生活意識」を分析。その結果から「多方面コンシャス」「フラット家族」「フリースタイル」「内向き志向」の4つのタイプに分類し、各年代の傾向を分析した。その結果、20代で最も多いのは、自分・周囲・社会等、多方面とのつながりを重視する「多方面コンシャス」タイプであった。
年代で比較してみると、若い年代ほど「多方面コンシャス」タイプが多く「内向き志向」タイプが少ないことが分かった。
20代に多い「多方面コンシャス」、企業のビジョンに共感する傾向
「多方面コンシャス」タイプの特徴は、自己成長意欲が高く、「自分らしさを大事にしたい」という意識を強く持っていること。一方で、「ネット等を活用して同じ趣味や価値観の人とつながりたい」「学校や職場などの枠を越えて、様々な人とつながりたい」という項目では半数以上が「あてはまる」と回答するなど、まわりの人とシェアしたいという共助志向や他人とのつながりに関心が強い傾向にある。
20代をタイプ別に見ると、「多方面コンシャス」タイプでは、環境問題に関心がある割合が60%以上であることが分かった。他のタイプよりも20~50ポイント高い点をみると「SDGsネイティブ」と呼ばれる、若い世代の環境問題に関心が高い層は「多方面コンシャス」タイプである可能性が高いことが分かる。
また、環境意識の高い「多方面コンシャス」タイプが他のタイプと比べて特徴的なのは、身近な人・場所だけでなく、社会への貢献意識も高い点。消費を通じて応援・貢献したいという意識も高いため、「多方面コンシャス」タイプにとって「ビジョンに共感できるかどうか」「応援したいかどうか」は、消費活動をする上で重要なポイントとなるようだ。
最後に同研究所は、20代に最も多く、今後も増えると予想される「多方面コンシャス」タイプの心を捉えるには、「ビジョンの提示」が重要、と分析している。